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アーケード維持ピンチ 富山市中央通り 運営負担巡る裁判波紋

3/22(木) 5:00配信

北日本新聞

 富山市中央通りのアーケードの維持管理が危機に直面している。協同組合中央通商栄会の運営費負担を巡る富山地裁の判決で、通りに店舗などを構えていても組合員でなければ、支払う義務がないとする判断が示されたからだ。アーケードの老朽化が進み、メンテナンスの費用がかさむ中、財源減少につながりかねないと地元関係者は頭を悩ませている。 (経済部・池亀慶輔)

 訴訟の第1回口頭弁論が昨年11月27日に富山地裁であった。被告の組合側は答弁書を提出せず、出席もしなかったため、原告の主張が認められた。争う姿勢を見せなかった組合の黒田輝夫代表理事は「財政が厳しく、裁判にコストをかけるわけにいかなかった」と説明する。

 判決によると、原告の不動産賃貸業、源平(東京)は2015年から16年にかけ、中央通りの貸店舗3棟を取得。その後、組合から組合運営に充てられる普通負担金と共同施設維持管理費の計60万3940円を請求された。同社は組合の会計に疑念を抱き、支払いを拒否。運営費の使い道を確かめたいと、会計帳簿の閲覧を組合に申し入れたが、組合は同社が組合員でないことを理由に断った。

 同社によると、組合員でなければ組合に運営費を払う必要がないとして今回の訴訟を起こしたという。同社は同市総曲輪通りでも貸店舗を運営している。河口源毅社長は「中央通りは総曲輪通りより運営費の負担が重い。アーケードの維持は大切だが、運営費の使い道が明らかにならなければ払えない」と話す。

 地元関係者は今回の判決を受け、組合員以外の人に「運営費を負担する必要がないと受け止められる恐れがある」と憂慮する。アーケードの老朽化が進んでおり、修繕費用が増えると見込まれる事情もある。

 組合によると、中央通りのアーケードは1987年に完成し、これまで大規模な修繕をしていないため傷みが著しく、複数箇所で雨漏りが頻発している。街灯の電気代や道路の補修などを含めた維持管理費は年間約1千万円に上り、61人の組合員と5人程度の物件所有者らで負担している。

 黒田代表理事は組合の会計処理について「問題はない」とし「判決は残念だが、アーケードを維持する重要性を説明して組合員になってもらうよう努める」と話した。新規出店するテナントに対し、仲介する不動産業者が運営費負担の必要性を説明するべきだとも主張する。

 ただ、組合自体の運営に不満を抱く商店主もいる。飲食店を営む商店主の男性は「組合は一部土地の再開発ばかりにお金を使い、商店街が団結して通りを盛り上げる雰囲気にない」と漏らす。中央通りで出店したいという意欲的な若者を支援するなど「組合の姿勢を変えていくべきだ」と話した。

北日本新聞社

最終更新:3/22(木) 5:00
北日本新聞

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