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飛行機内インターネットどう高速化? 拡充するサービス、通信量増大への対処は

3/25(日) 14:10配信

乗りものニュース

航空会社、通信会社、衛星通信会社がアライアンスを結成

 いまや空の旅でおなじみとなった「機内Wi-Fiインターネット」。2017年6月にJAL(日本航空)が国内線で無料化を発表したのに続き、ANA(全日空)も同年12月に国内線での無料化を発表、2018年4月1日より実施します。数年前に比べ各段に整備された飛行機機内のインターネットサービスですが、将来的には、新たに打ち上げられる通信衛星を利用した高速ブロードバンドインターネットが地上で、そして飛行機の機内でも利用できるようになるかもしれません。

【写真】パナソニックの機内ブロードバンド通信用アンテナ

 従来の機内Wi-Fiインターネットは、静止軌道上の通信衛星が地上の通信局と飛行機との通信を中継することで、サービスが提供されています。また北米では、地上の基地局から飛行機と直接通信するATG方式も展開されています。

 ただし実際の機内Wi-Fiインターネット通信のスピードは、状況により波のあるものでした。これは、通信衛星などから飛行機ごとに割り当てられた通信速度を、機内の利用者で分け合うのが原因です。さらにあいだに通信衛星を挟むことで、地上と比べるとどうしてもレスポンスが悪くなり、またその速度は通信状態や天候によっても左右されてしまいます。

 そうした状況を変えようとする試みとして2017年2月26日(現地時間)、デルタ航空とエアバス、通信会社のスプリント社(アメリカ)とバーティ・エアテル社(インド)、衛星通信会社のワンウェブ社(アメリカ)は、共同で「シームレス・エア・アライアンス」の設立を発表しました。これは衛星インターネットを利用して、機内でも高速かつ低遅延、さらに地上で利用しているモバイル通信サービスがそのまま機内でも利用できる仕組みを実現しようとするものです。

ソフトバンクも出資するワンウェブの衛星インターネット計画

「シームレス・エア・アライアンス」の鍵となる衛星通信会社のワンウェブ社は、「衛星コンステレーション」による地球全体での高速インターネットサービスの提供を目指しています。衛星コンステレーションとは多数の人工衛星が同一システム上で稼働する仕組みの名称で、ワンウェブ社は高度1200kmにまず648機、将来的には882機の通信衛星の打ち上げを予定しています。さらに、追加として1972機の人工衛星の打ち上げ案も表明。次世代衛星インターネットの本命と見られている企業です。

 このように大量の通信衛星が必要となる理由は、静止衛星に比べて低い距離を飛行する低軌道衛星は数を打ち上げ、まるで「ネット」のように地球を覆う必要があるからです。

 ワンウェブ社のサービスは衛星コンステレーションの展開によって異なると予想されていますが、2016年12月に同社への10億ドル(約1100億円)の出資を行ったソフトバンクの発表によれば、光ファイバー並の「下り200Mbps/上り50Mbps」という通信速度が実現するとのこと。これは、現在の衛星インターネットよりも格段に高いスペック。さらに、通信のレスポンスもかなり改善される予定です。

 なおワンウェブ社の通信衛星はエアバスが製造し、初の通信衛星は年内に打ち上げられます。そして2019年にもサービスを開始し、2027年までには世界からインターネットが使えない場所「デジタル・ディバイド」をなくすことを目標としています。

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