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パクチーブームの火付け役が店を閉めた理由 「パクチーハウス東京」佐谷さんの「破壊的セカンドキャリア」

4/8(日) 7:00配信

withnews

好きすぎてパクチーだらけの店内に

 飲食店の素人が、パクチーというマニアックすぎる食材をメインとした専門店を立ち上げる。その道の専門家からは大反対を受けたそうですが、「絶対に面白い」と信じた佐谷さんは、開店に突き進み、とことんパクチーを突き詰めます。

 服はいつでも緑色。ことあるごとにパクチーを想起させる「89(パク)」を連呼。

 お店のメニューの名称や値段に「89」をつけるだけでは飽き足らず、「89」のキーワードを見つけると、ウルトラマラソンに参加してしまうほどの、入れ込みようでした。
(佐谷さんは、2014年に、89キロを走る世界最古のウルトラマラソンの第89回大会に出場して以来、さまざまな「89」由来のマラソンに参加)。

 今回の閉店にあたっても、3月10日を最終営業日と定めると、89日前に閉店を宣言しました。

成功体験には縛られない

 最終日には盛大な閉店パーティを開催。事前申込制のパーティのチケットは完売していたにもかかわらず、最後のチャンスになんとか訪れたいと押しかける人が後を絶たず、入店制限が大変だったそうです。飲食店の閉店として、異様なまでの盛り上がりを見せました。

 「お客さんも来てくれていたし、正直言って、このままお店を続けることはできました。でも、もっと面白いことができる感覚が自分の中にあって、そのためには一度すべて壊さないとダメだったんです。閉店は、僕なりのイタズラ。ここに来れば、パクチー料理が食べられるという安心感を壊す狙いです」

「無店舗展開」の意味

 これからのパクチーハウスは、「無店舗展開」だと話す佐谷さん。いったいどういうことなのでしょう。

 「『パクチー銀行』の活動として、希望者にパクチーの種を無担保で融資しています。お店のレシピもすべて公開します。だからお客さんは、パクチーハウスで体験してきたことは、もう全部、自分でできるんです」

 「お店がなくても、続いていくものがそこにはありますよね。むしろ、住所不定・夢食(むしょく)になった分、自由に広がるとおもいます」

 「僕自身が次に何をやるかは、まだ決めてません。むしろ、次を決めてから仕事を辞めたことは一度もないんです。仕事は与えられるものではないし、奪い合うものでもない。自分でつくるものです」

 「自分の成功体験にしがみつかず、あっさり捨てることが大切。しがらみや常識に縛られず、自由に動いていれば、いろんなことが変わります」

 「人って、自分で決めれば、何でもできるものです。僕は、パクチーハウスの経験を経て、豊かな世界を作るリーダー的存在になりたいと思ったし、パクチーハウスのスタッフや来てくれたお客さん一人一人が、そうなると思っています」

 佐谷さんは、一大ブームを起こしつつも、お店をあっさり手放しました。決断の背景には「成功体験に縛られない」という考えがあったのです。

「働き方改革」の前に考えること

 働き方はこうじゃないといけない、という決まりはないし、まして、仕方なく無理にイヤイヤ働くんなんてもってのほか。

 佐谷さんのキャリア論を聞いていると、働き方や生き方にブレーキをかけているのは、他でもない自分自身だということに気づかされます。

 今、あちこちで「働き方改革」が叫ばれていますが、そのためにまず必要なのは「自意識改革」「自己常識の破壊」なのではないでしょうか。

 「飲食店は店舗があるもの」という常識から解き放たれた佐谷さん。今度はパクチーブームにとどまらない、世の中を揺さぶるインパクトを与えてくれそうです。

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最終更新:4/8(日) 7:00
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