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「金委員長は駐韓米軍の撤退を提案する」河井自民党総裁外交特別補佐

4/2(月) 15:01配信

ニュースソクラ

南北融和で進む「日本に最悪のシナリオ」

 北朝鮮の金労働党委員長による電撃訪中に続き、南北首脳会談、米朝首脳会談が行われる。朝鮮半島情勢は南北融和ムード一色となりつつある。

 日本への影響はどうでるのか。首相官邸で外交担当補佐官を約2年務め、昨年8月から自民党総裁外交特別補佐となった河井克行衆院議員。この5年で29回もワシントンを訪問した河井氏に最悪のシナリオを含め分析し、寄稿してもらった。(ニュースソクラ編集部)

 金正恩朝鮮労働党委員長は「バカ」でもなければ、狂気でもない。彼は実に計算高い人物だ。

 3月26日に北京を訪れ、習近平国家主席と会談したが、南北首脳会談(4月27日)、米朝首脳会談(5月)をセットし、「北朝鮮ー韓国ー米国」の枠組み構築の可能性を作ったうえで初めて北京に乗り込んだ。習主席の特使に会わないなど金委員長が散々コケにしてきた習主席が自分を貶めないよう、米国、韓国と対話できる姿を見せつけたうえでの訪中だった。

 一方で、米朝首脳会談が物別れになった場合の保険として、「俺の後ろには中国がいるぞ」と後ろ盾にするための北京詣ででもあった。韓国工作→米国工作→中朝首脳会談→南北首脳会談→米朝首脳会談。順番が一つでも狂っていたら、劇的な外交工作はうまくいかなかった。実によく練られた戦略に基づく用意周到な外交で、計算ができる人物だ。

 過去の軍事挑発行動にもそれは現れている。彼は米軍が軍事行動をとれば、自分が破滅して、祖国が消滅するということを完全に理解している。だから、米国の“虎の尾”を踏むような挑発行動はしない。

 例えば最近の一連のミサイル発射を見てみよう。いずれも日本領土の上空ではなく、海峡の上空を通過するように方向を調整していることがわかる。角度を上げて高く打ち上げるロフテッド軌道で撃ったのも、米本土まで届くことを避ける狙いがあった。

 米国の空母打撃群が朝鮮半島近海に3つか2ついる時期には決してミサイルを打たなかった。つまり、金正恩氏はあくまでも冷静に計算したうえで挑発行動を取ってきたことがわかる。

 このように米国との衝突を避ける合理的な判断ができる指導者だからこそ、彼の首を極限までギリギリまで絞めなければならない。極限まで圧力を高めても決して暴発しない金正恩氏の方から制裁に困り果てて政策を変えると言ってくるまで、国際社会は圧力を最大化しなくてはならないのだ。

 よって今回、金正恩委員長が韓国大統領府特使団を介して行った「南北首脳会談」と「米朝首脳会談」の開催提案は、日米が主導した国際的な制裁が効いてきたからこそもたらされたものである。

 合理的に判断できる指導者・金正恩委員長は、もし首脳会談でトランプ大統領を騙したら、激怒したトランプ氏が北朝鮮攻撃の軍事行動をとることをよくわかっている。

 だからこそ、破滅を避けるために、金正恩はかつてない思い切った提案、いまの国際的な孤立や経済的な苦境を一気に突破する“一発逆転”を狙う真剣な提案を行うのではないかと、私は考えている。

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最終更新:4/2(月) 15:01
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