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イルカと人が…「おとぎ話」のような漁法に迫る危機 ミャンマーに残った「最後の4人」が願うこと

4/14(土) 7:00配信

withnews

 大河に浮かぶ小舟。漁師の合図でイルカがはね、魚を網に追い込む……そんなおとぎ話のような漁法が、ミャンマー中部のイラワジ川に伝わっています。ただ、以前に比べてイルカの数は減り、技を受け継いだ漁師も数えるほど。イルカと人が協力して漁をする伝統が、絶滅の危機に陥っています。(朝日新聞ヤンゴン支局長兼アジア総局員・染田屋竜太)

【画像】これは「世界一」美しい漁法だ…イルカと漁師の「おとぎ話」のような光景

鳴きまねすると、尾びれで合図

 ゆったりと流れるイラワジ川。川幅は数十メートルにも及ぶ大河に、全長2メートルほどの手こぎカヌーが浮かんでいます。

 前方に座ったマウンレイさん(54)は、先をとがらせた15センチほどの木の棒を手に持っていました。

 棒で舟のへりをコツコツたたくと、口をすぼめて「クルックルッ」とイルカの鳴きまねをします。

 20秒くらいすると、灰色の尾びれが現れ、水面をばしゃんとはじきました。


 すぐに直径5メートルほどの大きな網を投げ入れるマウンレイさん。

 「イルカが網の近くまで魚を追い込むと、尾びれで知らせてくれます。それを合図に網を投げ入れます。イルカも、網にかからなかった魚の『おこぼれ』をもらえる。どちらにも利益のある漁法なんです」

「ひいじいさんの頃からあった」

 助けてくれるのは「イラワジイルカ」。日本名は「カワゴンドウ」といいます。

 イルカというと、ショーで跳びはねるバンドウイルカなど海にいる印象が強いかもしれませんが、イラワジイルカは口がとがっていません。

 国際NGOの野生生物保護協会(WCS)によると、ミャンマー全体では約220頭、そのうちイラワジ川流域には約70頭がいるとされています。

 イラワジ川はミャンマーの中央部を南北に貫き、流域面積41万平方キロに達します。漁業や水運が盛んで、下流のイラワジデルタは豊かな稲作地帯。まさにミャンマーの生活を支える大河です。その上流部分で、この漁法は続けられてきたといいます。

 「この漁がいつから始まったかはよくわかっていないのです」とマウンレイさん。「少なくとも、ひいじいさんの頃からあった。100年以上は続いている」

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最終更新:4/14(土) 7:00
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