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ルーツは昭和歌謡だった!…金正恩の“音楽政治”

4/7(土) 7:00配信

FNN PRIME

懐メロからK-popまで…禁断の韓国歌謡に精通

「人民が南側の大衆芸術に対する理解を深くし、心から歓呼する姿を見ながら、胸が熱くなり感動を禁じ得なかった」。

金正恩氏がK-popアイドルと握手

韓国芸術団の平壌公演を予告なしに鑑賞した金正恩・朝鮮労働党委員長。

公演が終わると出演者一人一人と握手し、韓国芸術団を絶賛した。

K-popアイドルのレッドベルベットのメンバーには、「(韓国メディアは)私がレッドベルベットの公演に来るかどうか、とても気にしていましたね」と話し、韓国の報道を逐一チェックしていることも示した。

公演中、正恩氏は一曲終わるごとに惜しみない拍手を送り、こんな感想をもらしたという。

「レッドベルベットは今や世界10か国を超える国でチャートを賑わせているが、そんなホットなグループに来てもらうのは簡単なことではなかっただろう」

「(韓国の)アイドルがたくさん来たら良かったのだが、北朝鮮側に憂慮があったのも事実だ」

「PSYの不参加は残念だったが、若い世代を紹介する役割をレッドベルベットが立派に果たしてくれた。」

江南スタイルが世界的なヒットとなったPSYからレッドベルベットまで、正恩氏が相当K-popに通じていることがわかる。また、自身はK-popアイドルに理解を示す一方で、北朝鮮の若者に悪影響が及ぶことを懸念する声があることも率直に認めた。

韓国で1980年代にヒットした「男は船、女は港」を聞いた際は、「自分が聞いていたのとは、編曲が違う」と指摘。父・金正日総書記が好きだった「一歩遅れた後悔」を韓国側にリクエストするなど、古くから韓国歌謡に親しんでいたことも明らかになった。

3日に一回視察、密接指導…モランボン楽団創設のワケ

♪朝鮮の行く手は誰にも阻めない
社会主義万歳の声高く、世界を主導する
その名も燦然と輝く光明星光明星 (曲名:輝け!光明星)

ミサイル発射の映像と共に、その成功を高らかに歌い上げる女性達。
正恩氏が肝いりで創設したモランボン楽団は、音楽を武器に正恩氏礼賛の先頭に立ってきた。正恩氏の音楽政治の出発点が、このモランボン楽団だ。

2011年末、父親の突然の死により、正恩氏は北朝鮮の最高指導者の地位を引き継いだ。
モランボン楽団が結成されたのは2012年3月。これが最高指導者としての初仕事だったと言っても過言ではない。

正恩氏は楽団の結成からデビュー公演までの110日間に36回もリハーサルを視察し、自ら指導にあたったという。実に3日に一度の割合だ。

「まるで白い布のようだ」

正恩氏はメンバーの選抜から、振り付け、選曲に至るまで細かく指導し、自分好みの楽団を作り上げることに心血を注いだ。
何故そこまでしなければならなかったのか。

北朝鮮の音楽政治に詳しい毎日新聞の西岡省二記者はこう指摘する。
「金王朝の3代目である、血を引いているということ以外、特に何の実績もなければ国際社会でそれ程知られた人間でもないので、カリスマ性を身に着けるためにかなり焦っていたんじゃないかという感じがします。
その中でまず手をつけたのが父親(金正日総書記)と同じ音楽の楽団を作ることでした。」

20歳前後の美貌の女性たちが、露出度の高い衣装を身に着け、西洋音楽を演奏する……これまで北朝鮮にはない刺激的な音楽集団を登場させ、内外の目を釘付けにした正恩氏。モランボン楽団は熱狂的な人気を集め、瞬く間に北朝鮮のトップグループとなった。

自分の好みに合わせて作ったモランボン楽団を成功させ、優秀な指導者であることを誇示する。音楽政治は正恩氏の狙い通りの効果を上げた。

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最終更新:4/9(月) 10:25
FNN PRIME