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型破りなモチベーター。浦和の危機を救った大槻監督の言葉の裏に隠された気概

4/9(月) 12:32配信

GOAL

4月7日の明治安田生命J1リーグ第6節、浦和レッズがベガルタ仙台相手に1点のリードで迎えた後半、両監督のハーフタイムコメントが記者席に配られると、周囲で苦笑が漏れた。そこには「いかにも」なコメントが記されていたからだ。

【動画】大槻監督リーグ戦初陣で初勝利!仙台キラー興梠が決勝弾

「シュートを撃て!ゴールに突き刺せ!」

髪をオールバックで固め、ポケットに手を突っ込みながらピッチ内を睨みつける。オーバーアクションで判定に不満を表し、サポーターのブーイングを煽ったかと思えば、倒れている自チームの選手に対して「やれよ!こけてんじゃねぇよ!おめえ!」と罵声を浴びせる。

こうしたエキセントリックな一面で注目を集める浦和の大槻毅新監督だが、暫定という立場で指揮を執る監督として、ここまでの仕事は、ほとんど完璧だと言っていい。

育成ダイレクター兼ユース監督だった大槻監督がトップチームを率いることになったのは、第5節・ジュビロ磐田戦翌日の4月2日。堀孝史前監督の契約解除による緊急就任だった。

その日のトレーニングで控え組の目の色の変化を確認すると、2日後のJリーグYBCルヴァンカップのサンフレッチェ広島戦で「フレッシュさ・野心・責任感」を重視し、磐田戦からスタメンを総入れ替え。大卒ルーキーの柴戸海をプロデビューさせ、西川周作の前に出場機会を得られていなかった福島春樹にも浦和での公式戦デビューのチャンスを与えた。

混乱と疑心を取り除いた大槻流の起用法

こうして磐田戦のスタメン組に刺激を与えると、仙台戦ではMF菊池大介を除いて再びスタメンを総入れ替え。ここ3試合で採用されていた4-4-2ではなく、3-4-1-2という新布陣を授けて、選手たちを埼玉スタジアム2002のピッチに送り出した。

「仙台の戦い方と、僕らの戦力、今やれることを比べたときに、このやり方が一番いいのではないかと思って選択した」

大槻監督は3-4-1-2を採用した理由について、そう明かした。

同じく3バックを採用する仙台が前節、ミラーゲームとなったV・ファーレン長崎戦で苦戦したことを分析していたのかもしれないが、大槻監督が会見の終盤で語った次の言葉も聞き逃せない。

「選手の特性を考慮してポジションに着かした。気持ち良くできそうなポジションで起用した」

遠藤航、マウリシオ、槙野智章の3バック、阿部勇樹、青木拓矢の2ボランチで中央を締めたうえで、遠藤と槙野には攻撃の起点になることを要求。ウイングバックには上下動の動きを心得ている菊池と平川忠亮を配置。平川は今季公式戦初出場だった。

トップ下の柏木陽介には自由を与え、興梠慎三と武藤雄樹の2トップを採用することで、興梠の孤立という、これまでの問題を解消することに成功。今シーズンはここまで、毎試合のようにビルドアップの仕方やボールの奪いどころ、フォーメーションが変わり、ピッチ内には混乱と疑心が渦巻いていたが、各々の役割がはっきりする3-4-1-2が採用され、適材適所に選手が起用されたことで、迷いが取り除かれたのだ。

それは、キックオフ直後から証明された。

5分にいきなり、武藤雄樹のパスに抜け出した興梠慎三が先制ゴールを決めると、槙野、青木、阿部らが次々とシュートを見舞う。前半はほとんど浦和ペースで進んだ。

後半に入って運動量が落ちたため、仙台に押し込まれたが、そうした展開だったからこそ「球際で負けない」「身体を張る」「勝利への執念を見せる」といった気迫が伝わってきた。

劣勢だった後半、大槻監督もただピッチサイドで喚いていたわけではない。75分ごろには「ここでやられたら今までと変わらないぞ! 大人のサッカーをしろ」と檄を飛ばす一方で、3ボランチに変更して逃げ切るための策を施した。

こうして浦和は1-0で仙台を下し、6試合目にしてようやくリーグ戦初勝利。クラブワーストとなるリーグ戦開幕6試合未勝利を回避した。

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最終更新:4/10(火) 11:07
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