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「+メッセージ」なぜ開発? 3大キャリアが異例の共同会見

4/10(火) 16:38配信

ITmedia ビジネスオンライン

 大手携帯電話事業者(キャリア)のNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクがメッセージサービスの分野で協力する。電話番号だけで長文のメッセージ交換、写真・動画のやりとり、スタンプの送受信、グループトーク――などを可能にし、従来のSMS(ショートメッセージサービス)の課題を克服したアプリ「+(プラス)メッセージ」を5月9日にリリースする。

【画像】「+メッセージ」のトークルーム。写真や長文が送れる

●長文送信に対応、スタンプ無料

 SMSを進化させたRCS(リッチコミュニケーションサービス)として提供する。キャリアを問わず、最大全角2730文字を送信可能にしたほか、絵文字の共通化にも対応。約500種類のスタンプも無料で用意した。音声メッセージや地図情報の送受信、「既読」の表示、QRコードの表示と読み取り――なども実装した。

 スマホの「電話帳」と連動するため、不明な差出人からの連絡を簡単に識別できる点も特徴だ。仕事用の端末に導入し、ビジネスチャットとしても活用できる。

 当初は一般ユーザーのみを対象とするが、企業の公式アカウント開設にも順次対応し、ビジネスの幅を広げる予定。MVNO(仮想移動体通信事業者)への導入も検討を進めていく方針だ。

 ただ、メッセージサービスではコミュニケーションアプリ「LINE」がユーザーに広く浸透している。すでに「LINE」誕生から7年が経過しているが、なぜキャリアはこのタイミングで手を組んだのか。

 3社は同日、都内で共同会見を開き、報道陣からの質問に答えた。キャリアの広報担当者は「われわれが横並びで会見するのは過去にほとんど例がない」と口をそろえる。各社は“異例”の共同会見で何を語ったのか。

●LINEへの対抗意識は?

――「+メッセージ」は「LINE」に対抗して開発したのか。

NTTドコモ スマートライフビジネス本部 藤間良樹担当部長: 「+メッセージ」は、あくまでSMSの機能拡張であり、正当進化だ。LINEへの対抗という意識はない。

KDDI 商品・CS統括本部 サービス企画部 金山由美子部長: 多くのユーザーに使っていただける“ユニバーサルサービス”にするために開発した。UI(ユーザーインタフェース)面でも安心して使ってもらいたい。

ソフトバンク テクノロジーユニット AIデータコンサルティング部 千葉芳紀部長: コミュニケーションを円滑にするのは“キャリアの使命”だと考えて開発した。

――ビジネス層も狙うとのことだが、LINEとどう差別化を図るのか。

KDDI金山氏: ID・パスワードなどのユーザー登録が不要で、スマホを入手した時点ですぐ使える点が大きい。やりとりに電話番号を使用するので、話し相手が誰なのか明確に分かり、安全性を担保した点も特徴だ。

●なぜいま手を組んだのか

――なぜ、このタイミングで手を組むことを決めたのか。

SB千葉氏: キャリア間での議論は以前から続けていた。(RCSの)世界標準が確立されて導入事例が増えたため、このタイミングでアプリの共同リリースに踏み切った。

――過去10年を振り返ると、キャリアは「プッシュトゥトーク」(ボタンを押している間だけ話せる通話方式)など多岐にわたるコミュニケーションツールを世に出してきたが、どれも定着しなかった。「+メッセージ」は以前のものと何が違うのか。

SB千葉氏: やりとりできる相手を広げられる点が異なる。過去のサービスは特定のキャリア間だけで利用でき、他社と連携できなかったため広がらなかった。今回はMVNOにも広げる計画なので、普及する余地が十分にあると考えている。

――MVNOとはどのように連携するのか。海外キャリアと連携する予定はあるのか

ドコモ藤間氏: MVNOとの連携は、これから各社と話し合いたい。海外キャリアとも将来的には接続する方針だ。

●ターゲットとする顧客層は?

――どのような顧客層がターゲットなのか。各社の見解は。

ドコモ藤間氏: すでにSMSを使っている層が一番のターゲットだが、30代より上のビジネスパーソンにも使ってほしい。

KDDI金山氏: 中高年層や未成年など、老若男女問わず使ってほしい。

SB千葉氏: まずはSMSのユーザーに使ってほしいが、さらに普及させたい。

――キャリアは「+メッセージ」をどんなビジネスに生かす予定なのか。

SB千葉氏: 詳細は未定だが、送金サービスなどとの連携を視野に入れている。

●「キャリアメール」との差別化は?

――既存の電子メール(キャリアメール)と「+メッセージ」のすみ分けはどうなるのか。

KDDI金山氏: 現在のユーザーは、用途や相手に応じて利用ツールを変えている。メールの主な用途は、フォーマルな連絡やメルマガの受信などに限られてきているようだ。一方、「+メッセージ」はCtoC(ユーザー同士の連絡)で使われやすいと考えている。

ドコモ藤間氏: 当社では、メールは受信専用に用途が変わってきたとみている。「+メッセージ」は相互のやりとりに適したサービスだ。

――ソフトバンクが現在提供しているMMSサービス「S!メール」は今後どうなるのか。

SB千葉氏: 引き続き提供する。「S!メール」と「+メッセージ」がストレスなくやりとりできるよう、UIを工夫する。

――企業が公式アカウントを開設した場合、ユーザーに連絡する仕組みはどうなるのか。

KDDI金山氏: SMSと同様、企業からメッセージを預かってサーバ経由で送信する仕組みになるが、少し発展させたものとなる。

●有料スタンプの提供も視野

――有料スタンプを提供する予定はあるのか。その場合、キャリアはどのように収益を分配するのか。

SB千葉氏: 他のコンテンツプロバイダーが作ったスタンプを有料で販売する可能性はある。ただ、その場合のビジネススキームは検討中。詳細は話せない。

――今後、アプリをメンテナンスやアップデートする際はどの企業が対応するのか。今後のキャリアの関係性は。

ドコモ藤間氏: 「+メッセージ」の管理元は機能によって異なる。共同で管理する部分もあるが、個々に担当する部分もある。今後は、個別に管理する分野で競争していきたい。MVNOに提供する場合も、キャリアのこうした関係に変更はない。