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サッカー日本代表・西野新監督誕生の舞台裏 “フィクサー”岡田氏の陰 本田と香川の冷遇に大ブーイングのスポンサー

4/11(水) 16:56配信

夕刊フジ

 サッカー日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)が9日に電撃解任され、後任に日本サッカー協会の西野朗技術委員長(63)が就任した。6月14日のW杯ロシア大会開幕をわずか66日後に控えての“政変”の舞台裏を探る。そこには、過去に2度日本代表を率いてW杯を戦い、今年3月に日本協会副会長の座を退いた岡田武史氏(61)=FC今治オーナー=の姿も見え隠れする。(夕刊フジ編集委員・久保武司)

 ■スポンサーの不満

 一見唐突にみえる“ハリル解任劇”だが、実際には昨年12月16日、東アジアE-1選手権・韓国戦(味スタ)で1-4と惨敗を喫した時点で、検討は始まっていた。

 6大会連続のW杯本大会出場こそ決まっていたが、ハリル・ジャパンは勝てない上に、魅力のない試合を連発し急降下したTV視聴率には最後まで歯止めがかからなかった。「W杯最終予選だったら30%超えが当然」(協会幹部)のはずが、ハリル・ジャパンではW杯出場権獲得試合(豪州戦=昨年8月31日、埼スタ)でさえ、平均24・2%(関東地区、ビデオリサーチの調べ)がやっとだった。

 人気低迷には、大金を払うスポンサー筋からブーイングが沸き起こった。ハリル監督は本大会直前の最終合宿地(オーストリア)で出場メンバー23人の発表をかたくなに主張していた。通例ならその前に、本大会の壮行試合(5月30日・ガーナ戦)で発表される。ハリルのワガママを飲んだ場合、「本田(パチューカ)や香川(ドルトムント)が大会直前に代表落ちを通告され、フランス大会のカズのように修羅場となる可能性があった」(協会関係者)。

 特に香川は、日本代表ユニホームの公式スポンサーであるアディダスジャパンとの個人契約選手だ。同社は日本協会と2023年まで総額250億円の8年契約を結んでいる。過去に出場したW杯では名波浩(フランス大会)、中村俊輔(ドイツ、南アフリカ)に続き、香川がアディダスの大看板を受け継いだ。

 02年W杯では、史上初のW杯ベスト16進出を果たしたこともあって、総額50億円以上ユニホームの売り上げを記録した。香川の土壇場落選は、日本協会にとってあってはならないシナリオだった。

 アディダス社にしてみれば、3月ベルギー遠征のマリ戦は本大会で着用するアウェーユニホームのお披露目試合。そこに故障があったとはいえ、香川が招集されなかったのは衝撃的だった。「ハリルをクビにするのは、むしろ半年遅かった」という声は複数の代表スポンサーからこの日、上がった。

 日本協会の年間収益の約70%が日本代表関連のもの。代表がコケれば日本協会の台所は一気に火の車になる。2018年度では年間約235億円の収入を想定。約165億円前後の財源は日本代表がもたらす。

 6大会連続出場を果たしたW杯でここまで話題にならない日本代表はハリル・ジャパンが初めてのこと。本大会前に交代させるなら、日本協会で最後の常務理事会が行われるこの日しか、ハリル更迭の日はありえなかった。

 ■陰のキングメーカー

 西野技術委員長の監督就任を最終的に決断したのは、日本協会の田嶋幸三会長(60)だが、「長い付き合いもあり、岡田さんとはいろいろと話をしていた」と明かす。西野ジャパン誕生には、過去の日本人でただひとり、W杯で采配をふるった岡田氏の考えは、田嶋会長の決断に大きな影響を与えた。

 岡田氏は西野新監督とも早大ア式蹴球(サッカー)部で先輩後輩の間柄でホットラインがある。

 田嶋会長は今年3月24日付けで日本協会副会長を退いた岡田氏について「いまはFC今治のオーナーで、日本協会としても是非とも成功してほしいが、何らかの形で今後も応援してもらう形にしたい」と日本協会の名フィクサーとして岡田武史の大看板に頼ることを何度も強調してきた。

 ■何が変わるのか

 残り約2カ月で西野新監督に何ができるのか。

 J1クラブの監督として歴代最多の通算270勝を誇る西野戦術は基本的に、個々のパスセンスや決定力を生かした攻撃的なスタイル。「守備を固めてロングパスによるカウンター狙い」一辺倒で不評だったハリル戦術とは対照的といえる。残された時間でどこまで新指揮官の戦術を浸透できるかは不透明だ。

 協会関係者は「少なくともチームと協会の風通しはよくなり、選手の自由度というか、任される部分は増える」とみる。今どきの若い選手向きの、コミュニケーション重視の組織にはなりそうだ。

 ハリル監督解任の最終的な引き金となったのは、本田圭佑らベテランとの確執だったといえる。西野ジャパンは本田、香川、岡崎は招集される可能性が高くなったが、これが結果につながるか。ハリル監督解任が英断だったといえる成績を出すのは並大抵のことではない。

最終更新:4/11(水) 16:56
夕刊フジ