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<じじい部隊>留守預かり6年目の春 福島・大熊

4/12(木) 9:27配信

毎日新聞

 東京電力福島第1原発事故で全町避難が続く福島県大熊町の大川原地区で、2013年4月から町民の留守を預かる形で駐在を続けてきた60代男性6人の活動が6回目の春を迎えた。人呼んで「じじい部隊」。来春には同地区に町役場が再開し町民の帰還も始まる見込みで、6人の仕事はこの1年が最後。手入れをしてきた桜約500本が咲き誇るなかで「みなに『おかえり』と言える環境を整えたい」と総仕上げを誓う。【乾達】

【別カット】「じじい部隊」が描いた「おかえり」

 町の臨時職員として先頭を切って町内に戻ったじじい部隊は、大川原地区にある坂下ダムの管理事務所を拠点に活動してきた。町の会津若松市への避難を指揮し定年退職したばかりだった元総務課長の鈴木久友さん(65)や元復興事業課長の横山常光さん(65)ら役場OBのほか、消防、水利施設管理などの経験者も加わった。交代で避難先の郡山やいわきから通い、週末を含む毎日、日中勤務している。

 着任時は居住制限区域の大川原地区などが立ち入り可能になったばかりで、道路をふさぐやぶや側溝に詰まった土砂の除去などに孤軍奮闘。一時帰宅者のサポートや町内パトロール、ダム周辺の管理など、町再生のために「気がつくことは全部やってきた」という。行政経験を生かし、視察に訪れた政府首脳や閣僚に、帰還困難区域の除染などを急ぐよう「現場の声」を伝えることもあった。

 大川原地区では現在、ダムから約2キロ東に来春の完成を目指し、役場庁舎や災害公営住宅などの「復興拠点」整備が進む。2年前にできた東京電力の寮には約700人が暮らし、鈴木さんら一般客も寮の食堂で昼食をとれるようになるなど、かつての「無人の町」に生気が増しつつある。

 つるや下草に覆われて弱ったダム湖の桜も、業務の合間に一本一本手入れしてきた結果、枝いっぱいに花を咲かせるようになった。今年はソメイヨシノは盛りを過ぎたが、しだれ桜や八重桜は見ごろを迎えている。22日までの午前8時半~午後3時、普段は立ち入れない湖畔の道路を一般開放する。さらに1年をかけ、帰還した住民が自由に入れる憩いの場にすべく、看板設置などの安全対策を進めるつもりだ。

 6人は震災から7年の今年3月11日、地区内の斜面にブルーシートで描いていた「かえろう」の文字を、「おかえり」に変えた。鈴木さんらは「(24日に始まる)準備宿泊で戻る住民が寝泊まりするだけでなく、古里のよさを感じられる環境を整えたい。この1年で帰還困難区域全ての再生にめどが立ち、全ての町民が戻れる希望を持てるようになるよう、現場で努力していく」と決意を語る。

最終更新:4/12(木) 12:19
毎日新聞