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<浜岡原発>緊急時の手順、チェック表など導入で備え厚く

4/12(木) 20:08配信

毎日新聞

 2011年の東京電力福島第1原発事故を調べた政府の事故調査委員会は、事故時のマニュアルとなる操作手順書が生かされなかった点を指摘した。あれから7年余り。県内の原発は、その教訓を踏まえているのか。3~5号機の再稼働を目指す中部電力浜岡原発(御前崎市)を訪ねた。

 3月上旬、浜岡原発で緊急事態対策訓練があった。「ピー、ピー」。原発敷地内の研修センターにある4号機の運転シミュレーター室に、警報音が響いた。その中で運転員らは、分厚い手順書を見直すなどし、状況に応じた適切な操作ができているかを確かめた。

 各電力会社は、原発のトラブルや事故があった場合に備え、手順書を作っていた。原子炉の水位が低下するなど観測した数値に異常が出た時に備えたものや、炉心が溶ける緊急時を想定したものなど、状況ごとに複数の種類がある。

 しかし、東電は原発事故で3号機の原子炉に注水する前、炉内の水位が測れない状況で、高くなった原子炉の圧力を下げる操作などが遅れた。そのような時の操作方法も、緊急時の手順書には載っており、政府事故調は最終報告書で「水位が計測不能でも、(東電の対応の)遅れを正当化する理由にはならない」と結論づけた。

 一方、中部電は運転員に手順書の内容を理解させるため、原発の運転免許の試験で手順書に関しても出題している。運転に携わるには号機ごとに定められた免許が必要で、それぞれ経験年数に応じてA~Cの3段階。試験は筆記だけでなく、口頭や実技もある。

 運転員になってからは、昼間と夜間の運転業務を2回ずつこなすと毎回、2週間の研修に入る。研修では、緊急時に使われる冷却系統の操作の仕方をシミュレーターで確認するなどしている。浜岡原発の広報担当者は「トラブルや事故の状況ごとに、なぜこのような操作が必要なのか理解することが重要」と説明する。

 昨春には「ハードカード」という運転手順のチェック表を原発を操作する中央制御室の制御盤に設置した。問題が起きた時、運転員がすぐ手に取り、初期対応で手順書に沿った操作方法を確認できるようにするためだという。訓練時も、運転員が活用していた。

 原発に詳しい斉藤誠・一橋大教授は「手順書が全てではないが、福島の事故では手順書の原理原則から逸脱した現場が混乱を重ねた。原発の継続には、危機に向き合える仕組み作りが求められる」と話す。【奥山智己】

最終更新:4/12(木) 20:57
毎日新聞