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勇気ある駐在夫人「絶対許さない」 大腰→けさ固めの連続技でさい銭ドロ逮捕

4/12(木) 22:38配信

産経新聞

 埼玉県警駐在所の巡査部長夫人が得意の柔道技で賽銭(さいせん)泥棒を御用-。賽銭泥棒を見つけて捕まえようとした男性にけがを負わせたとして、埼玉県警浦和東署は12日、強盗致傷の疑いで、さいたま市岩槻区の無職、田中俊明容疑者(44)を現行犯逮捕したと発表した。

【写真で見る】 満面の笑み 現場で「決め手」となった技を披露する山形麻理子さん

 田中容疑者を取り押さえたのは、同署野田駐在所(同市緑区)に勤める山形俊介巡査部長(32)の妻、麻理子さん(30)ら2人。麻理子さんは「逮捕できてよかった」と胸をなで下ろした。

 事件が発生したのは、11日午前10時20分ごろ。同駐在所の近くにある神社に参拝に来た会社員、鈴木清さん(59)は、賽銭を盗んだ田中容疑者に気づいた。鈴木さんは「絶対に逃がしたくない」と、田中容疑者が、その場を離れようとして押していた自転車をつかみ続けた。

 そのとき、鈴木さんの「助けて」という声を聞いて駆けつけたのが、駐在所にいた麻理子さん。「どうしたんですか」と鈴木さんに問うと、「賽銭泥棒です」。元警察官で、柔道初段の麻理子さんは、田中容疑者を柔道の投げ技「大腰」で倒し、最後に得意の寝技「けさ固め」で押さえ込んだ。

 麻理子さんが「(賽銭を)盗んだのか」と聞くと、田中容疑者は「盗みました」と降参。その後、鈴木さんの110番通報を受けて駆けつけた同署員らに引き渡された。

 同署によると、鈴木さんは逃げようとする田中容疑者に体当たりなどをされ、あばら骨を折るなどの重傷。田中容疑者が賽銭箱から取ったのは10円玉1枚だけだった。田中容疑者は「盗んだことは間違いないが、もみ合いになっただけだ」と容疑を一部否認している。

 麻理子さんは「普段から主人や浦和東署員を身近で見て、『犯罪を絶対許してはいけない』という気持ちがあった」と駐在所を飛び出したときの心境を振り返り、「警察学校で『警察としての誇りと使命感を持ちなさい』と言われた。それを忘れていなかった」と感慨深そうに話した。

 山形巡査部長と麻理子さんは同じ警察署勤務で知り合い、結婚。「2人で(駐在所勤務を)やりたいと話をしていた」(山形巡査部長)という夢が叶って、平成25年から同駐在所で勤務していた。普段は麻理子さんも駐在所にかかってくる電話の対応や道案内もしている。

 「大切なのは地域の人たちとの交流」と2人が話すように、浦和レッズや浦和学院野球部の応援などに参加して地域住民と絆を強めてきた。山形巡査部長は「良い関係があったから地元の人が助けを求めた」と振り返った。

 鈴木さんは「駐在所があってよかった」と感謝。山形巡査部長が「今後も事件を解決して、市民の安全な生活を守りたい」と意気込むと、麻理子さんは「2人仲良く頑張っていこう」と笑顔で応えた。

最終更新:4/13(金) 12:12
産経新聞