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関西大手をごぼう抜き! 数字で見えた大阪メトロの実力

4/12(木) 6:21配信

乗りものニュース

路線距離は「大手17社」の真ん中

 大阪市交通局が運営していた鉄道とバスが2018年4月1日(日)に民営化されました。このうち鉄道を引き継いだのは、大阪市が全額出資する「大阪市高速電気軌道株式会社」。一般には「Osaka Metro」(大阪メトロ)という愛称で案内されています。

【画像】ロゴマークはらせん状の「M」

 これに伴い、大阪市営地下鉄の8路線と、ゴムタイヤで軌道を走る新交通システムの南港ポートタウン線(ニュートラム)が、大阪メトロの路線に変わりました。

 大阪市営地下鉄は全国の公営地下鉄のなかでもっとも規模が大きく、現在は16社ある大手私鉄と同じレベルのネットワークを構成していました。いまのところは大阪市が全額出資する株式会社ですが、国の統計などでは今後、大阪メトロが「大手私鉄」として扱われる可能性もあります。

 それでは、大阪メトロが「17番目の大手私鉄」として扱われるようになった場合、17社のなかではどの「位置」に入ってくるのでしょうか。日本民営鉄道協会『大手民鉄データブック』(2017年3月31日現在)と国土交通省鉄道局『鉄道統計年報』(2015年度)などのデータを参考に、大阪メトロとほかの大手16社を比べてみました。

 大阪メトロの営業距離は、地下鉄8路線とニュートラムをあわせた137.8kmです。17社中9番目で、ほぼ真ん中。8位の阪急電鉄(143.6km)より少し短く、これまで9位だった小田急電鉄(120.5km)より長くなります。

 駅の数は108駅で、17社中5位に浮上。東京メトロ(179駅)と南海電鉄(100駅)の間に入り込んできます。距離より駅数の方が上位に食い込んでくるということは、それだけ駅の設置されている間隔が短いということを示しています。

運輸総収入は「ベスト3」に

 車両の数は、さらに上昇して4位(1348両)です。ちなみに1位は東京メトロ(2728両)で、これに近鉄(1915両)、東武(1884両)、大阪メトロ、阪急電鉄(1307両)が続くことになります。やはり大都市圏の地下鉄だけに路線距離の割には運転本数が多く、必要な車両の数も増えるということでしょう。

 輸送量はどうでしょうか。利用した人を単純に数えた輸送人員は約8億9000万人で4位。上位3社は関東の東京メトロ、東急、東武ですから、関西大手私鉄ではもっとも利用者が多いことになります。

 ところが、1日1kmあたりの平均通過人員(輸送密度)で比較すると、大阪メトロは約7万4000人で17社中11位と下がり、京阪電鉄と東武の間に入り込んできます。これは乗る人は多くても、ひとりひとりが実際に利用する区間は比較的短いということを表しています。大阪メトロのネットワークはごく一部を除いて大阪市内に収まっており、長い距離を利用する機会が少ないことも影響しているのかもしれません。

 最後に、経営規模の目安になりそうな数字として運輸収入の総計(2015年度)をみてみましょう。大阪市交通局としての運輸収入総計は約1560億5000万円。東京メトロ(約3626億2000万円)と東武鉄道(約1598億9000万円)に続く「ベスト3」です。長い距離に比べて運賃が高くなりやすい短区間の利用者が多いことも、収入が多い理由のひとつになっているのかもしれません。

 路線の距離や駅の数などは頻繁に変わるものではなく、17社中での大きな変動は当分ないと思われます。ただ、民営化されたことで経営の自由度は高まりますから、収入の順位は今後大きく変動するかもしれません。

 なお、大阪メトロを統計などで大手私鉄として扱うかどうかについて、国交省の鉄道局都市政策課は「今後、何か資料をまとめる機会があるときに区分を変える可能性はあるかもしれませんが、いまのところとくに何も決まっていません」と話しています。

草町義和(鉄道ライター)