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<防衛省>日報探索と警戒監視 神経すり減る二正面作戦 

4/13(金) 17:12配信

毎日新聞

 防衛省が国会で「不存在」と説明していた自衛隊のイラク派遣部隊の日報が見つかった問題を受けて、統合幕僚監部への日報類の集約を加速するため、防衛省と自衛隊の全部隊・部署で保有文書の一斉探索が実施されている。小野寺五典防衛相が設定した期限は4月20日。北朝鮮の弾道ミサイル、中国やロシアの軍用機・艦船への警戒態勢を維持しながら、膨大な文書とも向き合う二正面作戦に神経をすり減らしている。

 「海上自衛隊にはファイル数だけでもおそらく100万を超える文書がある。きわめて厳しい作業だが、忙しいとかとは別に全力でやらないといけない」。10日に記者会見した村川豊海幕長は苦渋の思いを語った。

 イージス艦による弾道ミサイルの警戒、「瀬取り」と呼ばれる北朝鮮船舶の洋上密輸の監視、中国の艦船への対処など、海自は平時から活動が多く、人繰りも厳しい。しかし、前線部隊も一律に日報探索の対象になっている。期限に間に合わないことも想定され、「物理的にできない場合は理由も報告しないといけない」と話した。

 一斉探索は今月6日に始まった。当初、陸上自衛隊で確認されたイラクの日報は、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報隠蔽(いんぺい)問題を受けて、統幕に日報を集約する過程で確認された。しかし、5日夜に航空幕僚監部で統幕への集約から漏れていた日報が発見され、小野寺氏が再探索を指示した。翌7日付の大臣通達では「防衛省・自衛隊の信頼を回復する最後の機会」と強調された。

 東京・市ケ谷にある防衛省でも日報の探索が行われている。探索対象はパソコンや外付けハードディスク、書棚、引き出し、倉庫など多岐にわたる。

 電子データの検索は長時間を要するため、深夜に退庁する際、パソコンで「イラク」「PKO」など日報に関するキーワードを打ち込み、翌朝の登庁時まで検索をかけておく職員もいる。ファイル名で検索しても見つからないケースもあり、部署によっては全行政文書を確認している。

 日報は資料作りなどに活用されるケースがあるため、自衛隊以外にも存在しており、政策立案を担う中枢の防衛政策課や機密情報を扱う情報本部でも日報が見つかった。

 ただ、日報探索だけでも作業量が膨大なうえ、国会や報道に対応するために答弁案や資料の作成も並行して行われている。特に日報を集約する統幕参事官付は「パンク状態。ほとんど寝ずにやっても回らない」という状況だ。また、部隊運用を担う自衛隊には文書管理を重荷に感じる風潮もあり、「たまたま北朝鮮のミサイル発射がない時期だから良いが、運用に支障が出かねない。組織を挙げてやることではない」(自衛隊幹部)と冷めた声も漏れる。【秋山信一】

最終更新:4/13(金) 17:16
毎日新聞