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急接近のIOCと北朝鮮 東京五輪への影響は?

4/13(金) 11:00配信

スポニチアネックス

 【藤山健二の独立独歩】いよいよ今月27日に韓国と北朝鮮の南北首脳会談が行われる。来月以降には史上初の米朝首脳会談も予定されている。北朝鮮を巡る情勢はここ数カ月で激変した。転機となったのは2月の平昌五輪であり、平和の祭典と言われる五輪の功績には違いないのだが、大会終了後も前のめりで関係改善に突き進む国際オリンピック委員会(IOC)の姿勢を見ていると、どうも違和感を感じざるをえない。

 バッハ会長は先月末に自ら訪朝し、金正恩朝鮮労働党委員長と会談した。その席で金委員長は2年後の東京五輪参加に前向きな考えを示したという。IOCも全面的な支援を約束し、両者の良好な関係をアピールした。南北融和を五輪の功績にしたいIOCと五輪を突破口に国際社会復帰を目指す北朝鮮との思惑が見事に一致した形で、今後も両者の関係はどんどん深まっていくのだろう。

 本来なら北朝鮮が東京五輪に参加するということは喜ぶべきことなのだが、日本は核・ミサイル問題だけでなく、拉致問題という最重要課題を抱えている。この問題が完全に解決されない限り、北朝鮮の参加を歓迎する機運は高まりそうにない。五輪が平和の祭典と言われるのは、古代ギリシャの時代に人々が戦争を中断して五輪に参加したからだ。その精神は現代にも受け継がれている。ただし、それは五輪が政治的にも宗教的にも人種的にも、常に中立であることが大前提だ。五輪憲章の中でIOCは「スポーツや競技者が、いかなるかたちにおいても、政治的あるいは商業主義的に悪用されることに反対する」と表明し、「いかなる種類の政治的、宗教的もしくは人種的な宣伝活動は認められない」と定めている。実際に選手が五輪の場で政治的なアピールをして問題となったことは何度もある。そのたびにIOCは厳しい対応を示してきた。では、今回の一連の北朝鮮の動きは「五輪の政治的な利用」にならないのか。わざわざIOCのトップが平壌を訪れて最高指導者と握手を交わすことが政治的なアピールに当たらないのか、疑問は次々と湧いてくる。

 平昌五輪への参加を機に南北首脳会談、米朝首脳会談の実現に結びつけた北朝鮮が、今度は東京五輪への参加を切り札に日本に揺さぶりをかけてくることは容易に想像がつく。もちろん、五輪によって北朝鮮が本当に平和な国家に生まれ変わるのなら素晴らしいことだし、東京五輪への参加ももろ手を挙げて歓迎する。それが偽りでなければ、の話だが…。

 北朝鮮の真意がどこにあるのか、南北、米朝の首脳会談でその答えは出るだろう。それが東京五輪にどんな影響を及ぼすのか、まずはしっかりと見極めたい。(編集委員)