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「教育係」と「新米」の間に何が… 彦根警察官殺害 配属17日目で凶行

4/13(金) 11:40配信

産経新聞

 交番勤務の経験豊富な中堅と現場に出たばかりの新米。2人の警察官に何があったのか。滋賀県彦根市の交番で射殺事件が起きたのは、「教育係」だった被害者の巡査部長と指導を受けていた容疑者の巡査が一緒に働き始めてからわずか17日目だった。当初はほかの巡査1人を加えた3人体制で勤務していたが、事件のあった11日とその前の勤務日は、2回続けて2人だけで勤務していたことが捜査関係者への取材で判明。滋賀県警は、この間に2人にトラブルがなかったかなどを慎重に調べている。

 「子供たちに優しく声をかけている姿がほほえましかった」。彦根市内にある井本光(あきら)巡査部長(41)の自宅近くに住む女性(62)はこう振り返り、別の女性も「とても感じの良い方だった」と話した。

 近所の住人らによると、井本巡査部長は妻と幼い子供2人の4人暮らし。集金や広報紙の配布といった自治会の仕事も嫌な顔一つせずに協力していたという。

 県警によると、警察官拝命は平成13年4月。交番勤務を中心に、盗犯担当の刑事も経験した。一緒に仕事をしたことのある警察官は「真面目できちんと仕事に取り組んでいた」と口をそろえる。

 警察官として一人前になるには1年以上の経験が必要とされる。高卒の場合は採用後10カ月間、警察学校の初任科で一般教養や実務の基礎知識を学ぶ。滋賀県警では、初任科を終えると警察署に配属され、約3カ月間、上司から交通違反の取り締まりや職務質問の方法の直接指導を受け、常に行動を共にする。

 井本巡査部長は殺人容疑で逮捕された男性巡査(19)とは彦根署に異動した今年3月26日、河瀬駅前交番勤務の同じ班になり、初めて会った。逮捕された巡査は昨年4月に採用。今年1月に初めての現場として同署に配属され、それまでは別の交番に勤務していた。

 同交番の班員はもう1人の男性巡査も含め3人。勤務は午前8時半から丸1日で、それが3日に1度回ってくる。当初の数回は3人で勤務していたが、今月8日にもう1人の男性が病欠。さらに、次の勤務日だった11日もこの男性が欠勤し、井本巡査部長と巡査は2回連続で2人だけで勤務する形となったという。

 犯行当日の勤務も半分近くが過ぎた午後7時50分ごろ、巡査は事務作業をしていた井本巡査部長の背後から頭と背中に拳銃を1回ずつ撃った。逃走後、身柄を確保された際は「罵倒されたので撃った」と話したというが、詳しい動機は判然とせず、関係者の間には怒りや戸惑いが広がる。

 「交番勤務は長時間行動をともにするため、より人間関係が濃くなる」。ある県警OBはこう指摘しつつ、「新米警察官への指導が厳しくなることはよくあるが、今まで誰も先輩を撃ち殺していない。(巡査は)何のために警察官になったのか」と憤った。

 現役の県警幹部は「(巡査は)未熟なまま警察官として任務についたのだろう」と推測した上で、「新人警察官の育成過程から今一度考える必要があるのかもしれない」と語った。

最終更新:4/13(金) 17:17
産経新聞