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広島高2刺殺逮捕 風化と戦ってきた父「突然の進展に気が動転している」驚きと安堵 「一歩前進、一区切り」

4/13(金) 13:33配信

産経新聞

 有力な手掛かりがないまま未解決だった事件が13年半で急展開を迎えた-。広島県廿日市(はつかいち)市で高校2年の北口聡美さん=当時(17)=が刺殺された事件は13日、現場に残されていたDNA型が一致した別の暴行事件で送検されていた男の逮捕に発展した。「一歩前進、一区切りつけられる」。風化を恐れ活動を続けてきた父の忠さん(60)は驚きの中にも安堵(あんど)をにじませた。

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 忠さんには昨日、殺人容疑で鹿嶋学容疑者(35)の逮捕状を取ったことが、広島県警からもたらされたという。「突然の進展に気が動転している」としつつ、「(鹿嶋容疑者が)犯人に間違いなければいいと思う」と心境を吐露した。

 事件が起きた日のことは今も忘れられない。広島市内で仕事をしていた忠さんの携帯電話に親類から連絡が届いた。「事件があったのですぐに家に帰ってくれ」。内容を尋ねても、親類が口ごもったのを今も鮮明に覚えているという。

 忠さんの妹に車で迎えにきてもらうと聡美さんが搬送された廿日市市内の病院から「身元確認をしてもらえませんか」と連絡がきた。病院に着くと、まるで眠っているような聡美さんの遺体と対面した。「悪い夢なら覚めてくれ」。そう思った。

 聡美さんは反抗期もなく映画が好きな忠さんと一緒によく洋画を見に出かけたという。毎朝、学校へ行く聡美さんを起こすのは忠さんの役目だった。忠さんは「今でも娘がふらっと帰ってくるんじゃないかと思うんですよ」と語った。

 事件の解決を願い、発生翌年、インターネット上のブログ「SA・TO・MI ~娘への想い~」を開設した。「犯人に家族と人生をめちゃくちゃにされた。とことん追い詰める」。解決の糸口になるならばと、ラジオやメディア取材に応じ、廿日市市内のショッピングセンターなどでチラシを配るなどし、情報提供を求めてきた。

 先月初めにも街頭に立った忠さん。「事件が風化していないと思えることが少しの安心になる。どんな情報でも私たちの支えになる」と市民らに協力を呼びかけた。

 事件から13年半で、ようやくたどり着いた容疑者の逮捕。「未解決から一歩前進し、一区切りつけられるのなら良かったと思う」。忠さんは戸惑いながらも、そう語った。

■犯人逮捕に住民も安堵「ようやく、この日が来た」

 「ようやくこの日が来た」。犯人逮捕の報に、北口聡美さん宅の周辺住民はそう語り、声を震わせた。

 「朝、ニュースを見て驚いた。指紋があるのでいずれは解決すると思ってはいたが、ようやくこの日が来た」。事件発生当時、捜査に携わり、現在は現場近くで夜の見回り活動を続ける県警OBの古原政照さん(70)は、そう話した。

 北口さん宅の向かいに住む会社員、宮田数行さん(68)は「生きていれば、聡美さんはどんなふうになっていただろう」と悔しさが消えない。「裁判など、さらに長い時間がかかるだろう。正直まだ解決した実感がない」と話した。

 北口さんが通っていた中学校で校長を務めていた新居克己さん(70)は「家族からとても愛されて育ってきたことが感じられるまじめなお子さんだった。容疑者が逮捕されても、かけがえのない娘さんが帰ってこない現実は変わらない」と声を震わせた。

最終更新:4/13(金) 18:57
産経新聞