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『さよなら、僕のマンハッタン』に隠された4つのメタファー。NYの街から読み解く物語

4/13(金) 17:02配信

dmenu映画

昨年公開された『gifted/ギフテッド』のプロモーションで来日したマーク・ウェブ監督が、「大学卒業前後の僕は悲惨だった。“自分が何をすべきか”と悩む辛い時期は誰にもあるでしょう?」とインタビューで筆者に語ったことがあります。

『(500)日のサマー』(2009年)で鮮烈なデビューを飾ったウェブ監督が、この作品よりも前に出会い、10年以上の歳月をかけて映画化を果たした最新作『さよなら、僕のマンハッタン』。サイモン&ガーファンクルの名曲『ニューヨークの少年』をモチーフに、ニューヨークの様々な地区を舞台にした青年の成長物語です。今回は、映画に映るニューヨークの街に潜むメタファーを探っていきたいと思います。

魂を失くしたNY=自分探し中のトーマス

マンハッタン生まれのトーマス(カラム・ターナー)は、大学を卒業し実家を離れて、ダウンタウンのロウワー・イーストサイドに暮らす青年。就職もせずに個人教師のアルバイトをしながら、自分探しの真っ最中。そんな彼の口癖は、「現代のニューヨークには魂がない」。

マンハッタンの商業化が進む前の、危険で魅力的な時代に青春を謳歌した、出版社を経営する父イーサン(ピアース・ブロスナン)や母ジュディス(シンシア・ニクソン)は、同世代の友人が集まると、なくなってしまった伝説のライブハウス、CBGBの話で大盛り上がり。過去にどれだけニューヨークが刺激的だったのか、そんな話ばかり聞かされるトーマス……。

筆者も、商業化が進み始めた頃のマンハッタンで暮らしていました。90年代後半は、マンハッタンのダウンタウンには古い建物が密集し、家賃も比較的安く危険な場所もありました。やがて2000年半ばには商業化の波がマンハッタン全域に拡がり、どこもかしこもキレイで安全な街に。小さな個人商店は消えていき、かわりにスターバックスなどのチェーン店が軒を連ねました。

商業主義に覆いつくされてしまった現代のニューヨークですが、本当に魂まで失ってしまったのでしょうか……? 2016年に筆者がニューヨークへ行ったときには、街の雑踏から独特のバイブがまだまだ感じられました。

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最終更新:4/13(金) 17:02
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