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日産とトヨタ、タクシーを巡るそれぞれの戦い

4/13(金) 12:44配信

ニュースイッチ

日産、車両販売拡大。トヨタは配車サービスで囲い込み

 日産自動車がタクシー車両の強化に乗り出す。高齢化のほか訪日外国人の増加で2020年の東京五輪・パラリンピックに向けタクシー市場全体が拡大する見通し。日産のタクシー販売は減少傾向だったが、今後は専用の「NV200タクシー」のほか、電気自動車(EV)「リーフ」やコンパクトカー「ノート」を拡販したい考えだ。

 日産の17年度のタクシー販売台数は824台だった。18年度の販売目標台数は策定中だが、「タクシー会社にリーフやノートを試してもらっており、手応えは良い」(春山美樹日本フリート事業本部副本部長)として販売増を見込む。

 日産は保有するタクシー全16車両をリーフに更新したおしろタクシー(熊本県菊陽町)に感謝状を贈呈する式典を12日に日産本社で開いた。おしろタクシーの込山浩憲社長はリーフへの切り替えで「燃料費やメンテナンス費を低減できる」ことなどを評価したという。

 ダニエレ・スキラッチ日産副社長はリーフについて「乗客とドライバーにエキサイティングな乗り心地や静粛性、コスト低減効果などのメリットを感じてもらえる」とアピールする。

 一方、トヨタ自動車はタクシー配車アプリのJapanTaxi(東京都千代田区)、KDDI、アクセンチュアなどと人工知能(AI)を活用したタクシー需要予測システムを開発。過去の運行実績やスマートフォンの位置情報などを基に30分単位で需要を予測し、乗車率の向上や売り上げの拡大につなげる。2月から都内で数台のタクシーに試験導入しており2018年度の商用化を目指している。

 トヨタは日本交通(東京都千代田区)グループのジャパンタクシーに出資するなどタクシー業界との協業を加速している。その狙いは何か。

 今年1月、米ラスベガスの「CES2018」で発表した電気自動車(EV)「eパレット・コンセプト」。完全自動運転機能を搭載し、箱型で床が低く大きな室内空間を持つこの商用EVコンセプトカーは、単に走って人やモノを運ぶだけではない。自動運転車と車両空間をさまざまなビジネスと組み合わせ、「モビリティー・エコノミー」(移動手段経済)という新しい産業分野での物理的なプラットフォーム(基盤)を担うものだ。

 トヨタのeパレットでは、事業の用途に応じた設備を搭載しながら、ネット通販の商品配送・宅配から、無人タクシーやライドシェア(相乗り)、移動店舗、レストラン、オフィス、ホテルと、さまざまな業務への展開を想定。米アマゾン・ドット・コムや米ウーバー、中国配車サービス大手の滴滴出行(ディディチューシン)、米ピザハット、マツダの5社と提携し、20年代前半に米国で実証実験を始める。20年の東京五輪・パラリンピックでは、一部の技術を活用した車両を移動手段として提供するという。

 豊田章男社長は「これまでのクルマの概念を超え、お客様にサービスを含めた新たな価値が提供できる未来のモビリティー社会の実現に向けた大きな一歩」と話す。これまでのようにより良いクルマを作って顧客に提供するだけでなく、それを使ったサービスの提供が今後の成長には不可欠との認識を示した。

 実際、自動運転機能を使ったサービス事業の比重が近い将来、急速に増すとの予測もある。インテルなどが17年6月にまとめたレポートでは、自動運転車が将来生み出すモノやサービスへの経済効果を「パッセンジャー・エコノミー」(乗客経済)と名付け、2035年の8000億ドル(約90兆円)から、2050年には7兆ドル(約791兆円)規模にまで拡大するとの試算もある。

 日本ではライドシェア(相乗り)サービスが規制される中、タクシーの配車サービスを巡る競争が激化している。ただそれは表層的な部分に過ぎない。人々の車への価値観が「所有」から「利用」へシフトする中、トヨタを始めとする自動車メーカーは移動だけにとどまらない新たな乗車体験を味わえるサービスを実現できるかも、大きな競走軸になってきている。

最終更新:4/13(金) 16:36
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