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スーパーグループとして知られるブラインド・フェイス唯一のアルバム『スーパー・ジャイアンツ』

4/13(金) 18:02配信

OKMusic

クリームのエリック・クラプトンとトラフィックのスティーブ・ウィンウッドは、どちらもグループ内の人間関係に悩んでいた。68年にリリースされたザ・バンドのデビュー作『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』に大きな衝撃を受けたこともあって、クラプトンはクリームを解散、天才ウィンウッドと新グループを結成する。ドラムにはクリームのジンジャー・ベイカーが、ベースにはファミリーのメンバーで譜面も読める才人リック・グレッチが参加し、当時はスーパーグループとして騒がれたが、アルバム『スーパー・ジャイアンツ(原題:Blind Faith)』をリリースしただけで、70年初頭には解散してしまった。実質の活動は半年ほどであったものの、ロック史上に残る名グループである。

ザ・バンドの登場

ザ・バンドがひっそりとデビューした1968年、エリック・クラプトンはクリームのギタリストとしてロック界の頂点にいた。ブルースとロックを融合させ、サイケデリックな香りやハードロックの萌芽をも感じさせる彼の音楽スタイルは、ビートルズ以降のロック界に大きな影響を与え、当時の若者たちに「クラプトンは神だ」と言わせるほどであった。

そんなクラプトンに「クリームを解散しなくてはいけない」と思わせるほどのアルバムをリリースしたのがザ・バンド。彼らのデビューアルバム『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』(‘68)は、ブルース、カントリー、ロックンロール、フォークなどをミックスし、まったく新しいアメリカ音楽を生み出していた。彼らにはシングルヒットがあるわけでも、スター性があるわけでもなかったのだが、完璧とも言えるアルバムの完成度からクラプトンをはじめビートルズのジョージ・ハリスンやブルース・プロジェクトのアル・クーパーらに熱狂を持って迎えられるのだ。ザ・バンドに影響を受けたアーティストは多く、1970年前後は特にイギリスと日本が顕著かもしれない。日本では、はっぴいえんど、はちみつぱい、ディラン・セカンドなどがそうであるし、イギリスではブリンズリー・シュウォーツ、グリース・バンド、アンドウェラなど、パブロックのグループはほぼザ・バンドを目指していたと言っても過言ではない。

ザ・バンドの登場で土臭さやアメリカ的なサウンドに注目が集まり、70年初頭のスワンプロックやカントリーロックのブームへとつながったのは確かである。ただし、ザ・バンドの音楽はスワンプロックでもカントリーロックでもなく、独自のアメリカーナロックを追求している。彼らのアルバムはどれも驚異の完成度で、最終作の『アイランド』を除き、ほぼ完璧な仕上がりである。

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最終更新:4/13(金) 18:02
OKMusic