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市場拡大、利用広がる運転代行業 それでもやっぱり「悪質業者にご用心」

4/14(土) 7:10配信

神戸新聞NEXT

 3~4月は、異動・転勤に伴う歓送迎会やお花見など何かと飲酒の機会が増えるシーズン。自宅が駅近ならば終電ぎりぎりまで粘れるが、バス停や駅から離れた地域に住む人たちは、飲み会を早く切り上げるか、タクシーを利用するかの選択を迫られる。車で来た人にとっても置いて帰るには駐車場代が気になるところ。そんな中、市場を拡大しつつあるのが自動車運転代行サービスだ。兵庫県警によると、県内では170件(2018年3月末)の業者が登録する。その仕事ぶりに密着した。(篠原拓真)

 3月29日午後9時半。「いいパパ運転代行」の本社営業所(芦屋市春日町)にはスーツ姿の男性2人が待っていた。乗務員のひげや茶髪を禁止し、スーツ着用を義務化するなどルールを徹底している。運営会社の浜本拓弥社長(38)は「悪質な業者も多い。代行に対するイメージを少しでもよくしたい」と意識する。

 (記者)「月にどれくらいの利用がありますか」

 (社長)「750~900件。1台当たり1日4、5件ってとこかな」

 この日は5台の車が本社営業所を出発。私が同乗した車はこの時点で既に2件の予約が入っていた。

     □   

 午後10時ごろ。1件目の東灘区の飲食店前に着くと3人の男性が店外で待っていた。近くの駐車場まで歩き、車の鍵を預って乗務員が運転席に乗り込んだ。

 車体の先端にはBMWのマーク。「外国車の利用者は少しずつ減っているかな」。随伴車を運転する担当部長(67)はつぶやく。以前は7対3で高級外車が多かったが、現在は6割ほどが国産車という。

 BMWの所有者は飲食店や美容関係の店舗など手広く経営する男性(37)。従業員らと午後5時ごろから飲んでいたという。

 (記者)「なぜ、運転代行を使うのですか」

 (男性)「電車代や帰りのタクシー代とか合わせると、運転代行の値段と変わらへん。それやと自分の車で帰りたいやん」

 目的地までは5500円。同社では10キロ以上の利用客をターゲットに、料金をタクシー運賃に合わせている。12キロを超えると、初乗り680円のタクシーより少なくとも500円程度安くなるように設定しているという。

 車内で会話を続ける。

 (記者)「主な送迎エリアはどこですか」

 (部長)「起点の大半は神戸・三宮。平均すると12~14キロ前後のお客さんが多いですね」

 (記者)「遠距離ではどこまで行ったことがありますか」

 (部長)「私は愛知県岡崎市です。熊本県まで送った社員もいます」

 (記者)「酔っぱらったお客さんにからまれることも多いのでは」

 (部長)「目的地を伝えずに寝てしまうと、もう大変」

 (部長)「ただ、業界には無保険の業者もいます。事故を起こしてそのまま放置し、逃げてしまうこともあるので注意が必要です」

     □

 1件目の男性を送り終えた後、三宮-神戸市北区-明石市▽三宮-西宮市▽西宮市-西宮市▽三宮-西宮市▽三宮-神戸市東灘区-と、計6件の仕事をこなし、事務所に戻ると時間は午前3時40分すぎ。この日の走行距離は194キロに上った。

 車内で聞いた無保険業者のことが気になった。

 (記者)「信頼できる業者かどうか何で見分けたらいいのでしょうか」

 (社長)「運行代行の専門共済『JD共済』というのがあります。うちも加入していますが、随伴車にそのシールが張ってあるか、まず確認するのも一つの手です」

 分かれ際、浜本社長は「飲酒運転は絶対になくさなあかん。運転代行業がその力の一つになれば」と力を込めた。

 午前4時すぎ。まだ薄暗い中、事務所を後にした。


■自動車運転代行サービス 業者が派遣した乗務員が2人一組で行動する。1人が利用客の車を運転し、利用客は自車に同乗。随伴車は別の乗務員が運転する。随伴車に利用客を乗せる行為は「白タク」行為として法律で禁止されている。2006年に全国で6447件だった自動車運転代行業者数は、16年には8916件まで増えた(いずれも警察庁統計)。中には無保険で運転代行をする業者や、随伴車がついていない業者など、悪質なケースもあるとみられ、規制の必要性を訴える業者もいる。

最終更新:4/14(土) 9:11
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