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首相、目立つ言及回避=愛媛文書に野党照準-疑惑晴れず・衆院集中審議〔深層探訪〕

4/14(土) 8:28配信

時事通信

 学校法人「森友学園」への国有地格安売却、自衛隊の日報に加え、学校法人「加計学園」の獣医学部新設の問題が再燃した中で行われた11日の衆院予算委員会集中審議。野党は、安倍晋三首相の元秘書官が獣医学部新設をめぐって「首相案件」と述べたとされる問題を中心に追及した。しかし、首相の答弁は核心部分について言及を避ける場面が目立ち、いずれの問題も疑惑の解明は進まなかった。

 ◇「コメントする立場にない」
 立憲民主党の枝野幸男代表ら野党は、獣医学部が所在する愛媛県や今治市、加計学園の関係者が2015年4月、首相官邸で当時の柳瀬唯夫首相秘書官と面会した時のものとされる愛媛県作成の記録に、柳瀬氏の発言として「本件は、首相案件」と記されている点を重点的に取り上げた。

 首相は、愛媛県の文書であることを理由に「コメントする立場にない」と答弁。枝野氏が「愛媛県の担当者が聞いてもいないことを書いたか、柳瀬氏がうそをついているか、どっちかしかない」と畳み掛けると、首相は「(文書内容を否定している)柳瀬氏を信頼している」と強調した。

 首相が学園の計画を把握した時期も焦点。過去の国会答弁で首相は、計画を知ったのは学園が事業者に認定された昨年1月20日と主張しており、希望の党の玉木雄一郎代表は、愛媛県文書がこれより前に作成されたこととの整合性をただした。

 首相は「(学園理事長の)加計孝太郎氏は長年の友人だが、私の地位を利用して何か成し遂げようとしたことは一度もない」と論点をすり替えて答えたが、玉木氏は納得せず、最終的には「1月20日まで存じ上げなかったのは今まで答弁した通り」と渋るように語った。玉木氏は「1月20日と言えなくなっている」と疑いの目を向けた。

 愛媛県文書には、県などと柳瀬氏との面会の前に首相と加計氏が会食した際の話として「(当時の)下村博文文部科学相が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があった」と記されている。事実なら首相答弁と食い違う可能性が高いが、首相は「下村氏から聞いたこともないし、下村氏が言ったことを私が加計氏に伝えることはない」と断言した。

 一方、希望の党の今井雅人氏は、今治市の公文書に、同市や愛媛県などの担当者が首相官邸を訪問したとの記述があると指摘。首相は「官邸への入邸記録は破棄されている」としてかわそうとしたが、再調査を求められ「もう一度確認させる」と応ぜざるを得なかった。

 ◇「適正」と言えず
 森友学園への国有地売却では、値引きの根拠となった地中ごみについて、財務省が学園側に「トラック何千台も走った気がするといった言い方をしてはどうか」と口裏合わせを依頼したことが明らかになっている。

 玉木氏は、値引きの根拠が崩れたとみて「今でも適正と考えているのか」とただした。首相は、会計検査院が疑義を示していることを踏まえ、「適正か適切でないかを直ちに答弁する立場ではない」と回答を避けた。玉木氏は首相が「適正」と言えない状況を「財政法違反だ」と批判した。

 口裏合わせを求めた人物については、財務省の太田充理財局長が当時の同局課長補佐級職員と明かした。学園の弁護士を通じ、当時理事長だった籠池泰典被告に「ワンボイスでやった方がいい」と、メディアの取材対応を控えるよう促したことも認めた。

 ◇陳謝もなお新事実
 防衛省が存在しないとしていた自衛隊の日報問題について、首相は「シビリアンコントロール(文民統制)にも関わる重大問題だ。自衛隊の最高指揮官、行政の長として国民におわびする」と陳謝。「どこに問題の根源があるか明らかにして信頼回復に全力で取り組みたい」と語った。

 ただ11日も、イラク派遣部隊の2日分の日報が陸上幕僚監部で新たに見つかったことが判明。枝野氏は、昨年3月に陸自内で日報を見つけながら陸幕に伝えなかった背景を尋ねたが、小野寺五典防衛相は「どういう経緯で確認して当時の稲田朋美防衛相に報告しなかったのかは調査中」と述べるにとどめた。

 相次ぐ疑惑の表面化は、長期政権のゆがみとも指摘される。11日の審議で共産党の宮本岳志氏は「国会と国民を欺く政権には一日たりとも国政を担う資格はない」と首相に退陣を要求した。

最終更新:4/14(土) 8:35
時事通信