ここから本文です

<小野憲史のゲーム時評>ゲームのアカデミー賞で日本ゲームの快挙

4/15(日) 10:00配信

まんたんウェブ

 超硬派のゲーム雑誌「ゲーム批評」の元編集長で、ゲーム開発・産業を支援するNPO法人「国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)」元代表の小野憲史さんが、ゲーム業界の現在を語る「小野憲史のゲーム時評」。今回は、ゲーム開発者の国際会議「ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス(GDC)」で発表された「ゲームのアカデミー賞」と言われる「ゲーム・デベロッパーズ・チョイス・アワード(GDCA)」で評価されたゲームについて語ります。

【写真特集】1分で分かる「ニーア オートマタ」

 ◇

 GDCAの発表授与式は3月に開催され、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」(NS、任天堂)が大賞の「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」など3冠に輝いた。日本のゲームソフトの大賞獲得は、2006年の「ワンダと巨像」(PS2)以来12年ぶりの快挙だ。

 それ以上に驚かされたのは、ゲーム開発者が人気作品を評価する「オーディエンス賞」に「ニーア オートマタ」(PS4・PC、スクウェア・エニックス)が輝いたことだ。GDCの来場者による投票で決まる賞だけに日本作品の受賞は初めてだ。ディレクターとシナリオを担当したヨコオタロウさんは「受賞すると思っていなかったので、とてもうれしいです」とコメントした。当の本人が一番驚いていたに違いない。

 「ゼルダの伝説」は、任天堂の新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」のキラーソフトで、本命中の本命。しかし「ニーア オートマタ」は、高い技術力を誇るものの、世界観がアニメやマンガに影響を受けた「J(ジャパニーズ)RPG」で、海外ユーザーの好みには合いにくいとされたジャンルだからだ。実際、パッケージ版とダウンロード版の合計の世界売上は250万本に達するが、1000万本クラスが多数存在する海外大作ゲームに比べると見劣りする。

 しかし、ここ数年でJRPGを再評価する動きも出てきた。日本の学園生活が舞台のRPG「ペルソナ5」(アトラス)はパッケージ版の売り上げがワールドワイドでシリーズ最高の200万本以上のヒットを記録。ダウンロード配信で100万本以上を売り上げたとされる米インディーゲーム「アンダーテール」は、コピーライターの糸井重里さんが手がけたRPG「マザー」シリーズに影響を受けたという。

1/2ページ

最終更新:4/16(月) 19:43
まんたんウェブ