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<AV問題>フリー女優を守りたい 連盟発足は実現するか

4/14(土) 11:00配信

毎日新聞

 だまされてAVに出演させられる強要被害を防ぐため、AV人権倫理機構が定めた新ルールの本格運用が4月に始まった。プロダクションは、女優を所属させる際に、AV出演のリスクについて説明するよう求められているが、AV女優全員がプロダクションに所属しているわけではない。立場の弱いフリーランスの女優に情報を発信しようと、フリー女優のかさいあみさんと元AV女優の三代目葵マリーさんが、フリー女優連盟の発足を検討している。フリー女優が直面している問題とは。【中嶋真希】

 2017年4月、AV業界の要請を受けて、「AV人権倫理機構」の前身である「AV業界改革推進有識者委員会」が設立された。出演強要を防ぐためにメーカーやプロダクションが守るべき新ルールを同年10月に発表。ルールを守って制作した作品を「適正AV」と定めた。そのころ、フリー女優の間で、あるうわさがささやかれるようになった。「今後、フリーは適正AVに出演できなくなるらしい」

 同機構に確認したところ、フリーであることを理由に「適正AV」に出演できなくなることはないといい、うわさを否定した。新ルールでは、プロダクションが女優と契約する際、「AVの撮影では性交渉をする」「性感染症や、家族に出演を知られるリスクがある」ことなどを説明する義務があるが、フリーの女優にはメーカーが同じ説明をすることで対応が可能だという。

 しかし、フリー女優への詳細な対応について同機構がこれまで正式に発表したことがなく、不確かな情報が飛び交ってしまった。「フリーは使ってはいけない」と誤解するメーカーもあったという。そこで、「正しい情報が必要だ」と動き出したのが、かさいさんと葵さんだった。今年3月に、連盟の発足を検討していることをツイッターで発表。6日に説明会が行われ16人が出席。今後も仕事を続けられることがわかると、ほっとした表情を浮かべた参加者もいたという。

 ◇フリーだからできる自由な表現

 「フリー女優は、(プロダクションに所属している女優よりも)対応を後回しにされがち」とかさいさんは言う。かさいさんは、プロダクション所属を経て、16年からフリーに。「後回し」と感じながらも、フリーで仕事を続けるのは「メーカーと直接、どんな作品にするかを話し合ったり、自分でギャラの交渉をしたりと、自由に働けるから」という。また、AVにとらわれない活動ができるのも強みだ。かさいさんは、漫画を描いたり、自転車レースに出場したり、アパレルブランドも持っていたりと幅広いジャンルで自分を表現している。プロダクションに所属すると、ここまで好きなことはできないという。今回の騒動で、プロダクションから「うちに来たら」という誘いも受けたが、「ありがたかった。でも、私はフリーでやっていきたい」と決意は固い。

 フリー女優連盟が実現するかどうかは、まだわからない。連盟として維持できるだけの人数が集まるか、どのような形で運営していくかは未知数だ。それでも葵さんは「フリーの女優たちは、人づてで紹介してもらいながら仕事を得ている。不確かな情報が流れてきても、疑問に思ったことを投げる場所もない。情報を発信する場を作り彼女たちを守っていきたい」と話した。

最終更新:4/14(土) 11:07
毎日新聞