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社説:SNSの経営 社会的責任の自覚必要

4/14(土) 12:35配信

京都新聞

 いまや暮らしに欠かせない会員制交流サイト(SNS)。その運営のあり方を問う問題だ。
 SNSの最大手フェイスブック(FB)のザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が米議会で個人情報の管理に不備があったことを認めた。
 FBが英政治コンサルティング会社による個人情報の不正利用や虚偽ニュース、ヘイトスピーチなどに利用されていることについて、同氏は謝罪した。
 気軽に利用できるシステムの開発に注力する一方、悪意のある利用者による情報利用については認識が極めて甘かったようだ。
 SNSはFBのほかにも種々ある。急成長の一方で、大量の個人データを収集するビジネスモデルへの懸念が指摘されていた。
 FBは、無料でサービスを提供する代わりに、利用者の登録情報や書き込み、投稿写真、位置情報などさまざなデータを分析し、個人の好みや行動に合わせた広告枠を売ることで収益を上げてきた。
 FBの情報管理が問題になったのは、大量の情報が英国のコンサル会社に流出したためだ。
 コンサル会社は大学の教授と協力し、クイズで性格を診断するアプリをFBの利用者に提供し最大8700万人分の個人情報を収集、共有していた。情報は2016年の米大統領選でトランプ陣営に利用されたという。
 トランプ陣営は、FBの情報からさまざまな政治志向の人に合わせた情報をまとめ、FBなどで発信したとされる。中には真実でない情報が織り込まれていたという指摘もある。
 FBの情報を不正に取得し、投票行動に影響させようとしていたとすれば、民主主義を脅かす事態だ。住民投票や国民投票にも悪用されかねない。
 流用された情報は、属性や志向で、個人名を特定できるものではない。流用が社会に影響を与えるとしても、現状では規制はなく、個人の損害賠償を訴えることは困難だ。
 EUは今年から、企業の個人情報利用を厳しく制限する。日本でも個人が自分のデータを取り戻す制度を検討している。米議会でも規制が必要との発言が相次いだ。
 FBをはじめ、SNS企業はヘイトスピーチ対策に乗り出している。一方で、包括的な規制には総じて消極的な姿勢だ。
 それで社会の理解を得られるだろうか。個人情報を集めて収益を上げているからには、相応の責任を負うべきだ。

[京都新聞 2018年04月14日掲載]

最終更新:4/14(土) 12:35
京都新聞