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【甲信越ある記】出雲崎・良寛記念館 心に染み入るユニークな遺墨

4/15(日) 7:55配信

産経新聞

 越後の出雲崎に生まれた江戸時代後期の禅僧、良寛(1758~1831年)といえば、子供たちと遊ぶのが好きな和尚というイメージが強い。てまりを懐にいつも忍ばせ、その技は「並ぶものがいない」と自認するほどの名人だったという。子供たちとのかくれんぼでは、日が暮れて誰もいなくなった後も隠れ続けたといった逸話も残る。親しみを込め、県内では「良寛さん」と呼ばれることが多い。

 良寛記念館は、生誕200年を記念して町民から寄付を集め、昭和40年に生家ゆかりの丘の上に建てられた。詩人、歌人、書家としても知られる良寛の遺墨など約60点を所蔵。5年前、財団法人から出雲崎町に運営が移されている。

 「来館者は、かつて教科書で良寛さんのことを学んだ60代以上の人がほとんど。良寛さんを知らない若い人も増えているので、ぜひ足を運んでほしいですね」。永寶卓(ながとみ・たかし)館長(44)はにこやかな笑顔で語る。

 展示室は、受付がある建物と回廊で結ばれている。入館後に一度外に出ることで、見学者に気持ちを切り替えてもらうためという。鉄筋コンクリートの切り妻造で、周囲の自然に溶けこんでいる。文化勲章を受章した金沢市出身の建築家、谷口吉郎氏が手掛けた和風の記念館は2年前、国の登録有形文化財に指定された。

 今は6月末までの予定で「良寛の実像展」が開かれている。展示作品は遺墨をはじめ、良寛像の絵画や彫像、良寛の長歌を描いた絵画など37点。永寶館長によると、出生や出家、辞世の言葉などに諸説がある良寛の生涯を紹介し、どういう人物だったかを感じ取ってほしいとの思いから企画したという。「最近では、結婚も経験したのではないかとの説もあります」

 遺墨の作品は文字の間隔を空けたり、余韻を持たせる余白や脱字もあるなど、まさにユニーク。「全く同じものを書き遺していません」(永寶館長)。タッチは柔らかく、変体仮名の文字は素人には読み取れない。ただ内容は分かりやすく、良寛の思いや教えが心に染み入る。

 記念館に隣接する「良寛と夕日の丘公園」に立ち寄った。眼下に日本海を望み、正面に佐渡島、右手に神山の弥彦山が見える。桜の花も美しい。「にいがた景勝100選」の1位に選ばれたのもうなずける。帰り際、記念館前のレストラン「ブラッスリー・カフェ・ルポ」でオムライスを注文した。ふわふわ、とろとろの食感が素晴らしい。お薦めです。(村山雅弥)

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 ◆良寛記念館 出雲崎町米田1。北陸道・西山インターチェンジ(IC)から車で約15分、長岡北スマートICから約20分。JR越後線・出雲崎駅からバスで約7分、下車後徒歩約5分。入館料は一般400円、高校生200円、小中学生100円。団体割引がある。開館は午前9時~午後5時。休館日は11~3月の水曜(祝日を除く)。4~10月は休館日がない。問い合わせは同館(電)0258・78・2370。

最終更新:4/15(日) 7:55
産経新聞