ここから本文です

お使いのInternet Explorerは古いバージョンのため、正しく表示されない可能性があります。最新のバージョンにアップデートするか、別のブラウザーからご利用ください。
Internet Explorerのアップデートについて

<シリア攻撃>米への恩返しか?英仏の事情は

4/14(土) 22:04配信

毎日新聞

 【ロンドン矢野純一、パリ賀有勇】米国とともに英国とフランスがシリア攻撃に踏み切った事情を探った。

【写真特集】がれきが散乱し、廃墟と化した地区も

 英国では先月、ロシアの元スパイが神経剤によって襲われる暗殺未遂事件が起きていたことが影響したようだ。メイ英首相は14日の記者会見で、「シリアや英国の街角で化学兵器を使用することが当たり前になることは許されない」と述べ、英国として初めてシリアのアサド政権に対する空爆に踏み切った理由を説明した。

 メイ氏は「ロシアが事件に関与した疑いが極めて高い」として、対露圧力のために米国や欧州各国に協力を要請。米国は露外交官追放や領事館閉鎖などの強硬措置を取り、期待に応えていた。英国では、「特別な関係」にある米国に恩を返す必要性があるとの見方も広がっていた。

 国際社会での存在感を示す狙いもあったとみられる。欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国は、欧州内で孤立感を深めていたためだ。また2013年には、化学兵器を使用したとされるアサド政権に対し、米国と共に軍事攻撃寸前までいったが、英議会が攻撃実施の動議を否決し、見送りになった。その後、「英国は当てにならない」(外交関係者)との空気が国際社会に広がり、安全保障分野で英国の存在感が薄れていた。

 一方、フランスのマクロン大統領は昨年5月の就任直後から、化学兵器使用を「越えてはならない一線(レッドライン)」とし、使用されれば「報復措置」を取る方針を明確にしてきた。

 13年に米英によるシリア攻撃が見送られたのは、アサド政権を支援するロシアの提案でシリアが保有する化学兵器の全廃が決まったためだ。だがフランスは、レッドラインを掲げながら方針を撤回したオバマ前米政権の「弱腰」が、ロシアによるシリア内戦への本格介入につながったと受け止めた。「仏政府高官の多くが、米英が翻意しなければシリアの現状は違う結果となっていたとみている」(仏紙フィガロ)という。マクロン氏からすれば、オバマ氏と異なり、有言実行で強い指導者をアピールしたかったようだ。

最終更新:4/14(土) 22:58
毎日新聞