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江戸時代のハイテク からくり人形のスゴ技「機巧図彙(からくりずい)」を基に復元

4/14(土) 14:30配信

産経新聞

 江戸時代のハイテク、「からくり人形」がとちぎ山車(だし)会館(栃木県栃木市万町)に展示されている。人形の復元や実際に動かす実演を手がけている、からくり人形師、半屋弘蔵さん(65)=本名・山本弘、同市=が今年2月に同市観光協会に寄贈し、19年ぶりに栃木県を対象とするJRグループの大型誘客事業、4~6月のデスティネーションキャンペーン(DC)を前に3月下旬から展示。5月初めまでの日曜には、同館前で半屋さんによる人形の実演も披露されている。

 半屋さんは「栃木市の良さを知ってもらう機会になれば。DCはその第一歩。おもてなしがうまくいけば、期間中だけでなく、さらに観光客が増える」と期待を込める。

 寄贈した人形は、江戸時代の書物「機巧図彙(からくりずい)」を基に制作した。茶碗(ちゃわん)を運び、往復する「茶運び人形」、とんぼ返りをして段を下りる「段返り人形」、箱を持ち上げるたびに中の品物が変わる手品をする「品玉(しなだま)人形」、鼓と笛を鳴らす「鼓笛児童」の4体。復元制作できる人形師は全国で数人とみられ、半屋さんは1体の復元に数カ月~半年かける。

 「魂の技術」。半屋さんがこう表現する復元作業。細かい部品を精密に組み合わせ、ぜんまいで動く仕組みだ。歯車の溝など細かい部分はやすりを使い、丁寧に仕上げる。部品は木製。温度や湿度の変化による、微妙な膨張や収縮に対応、動くようにしなければならない。「愛情を込めてやっている」

 半屋さんは新潟県糸魚川市出身。自動車メーカーに就職し、工場新設に伴い、栃木県に移住して40年以上になる。生産性向上とコスト削減のため、からくり人形に着目した上司の指示で、埼玉県川口市のからくり人形師、半屋春光さんを訪ね、「からくり改善」につなげた。48歳で会社を退職した後は、本格的にからくり人形師として活動している。

 実演展示では同市の契約社員、清水めぐみさん(35)がボランティアで口上を務める。市民劇の経験を生かし、人形芝居に仕立てている。とちぎ山車会館前の実演は今月の日曜と5月5、6日。午前10時~午後2時で随時。各回20分程度。無料。

 (宇都宮支局 水野拓昌)

        ◇

 ■江戸時代のハイテク 「機巧図彙」は「からくり半蔵」とも呼ばれた江戸時代の天文学者、細川頼直(?~1796年)が寛政8(1796)年に書いた国内最古の機械工学書。和時計や9体のからくり人形を図解。一子相伝の技術が明らかにされており、後の時代の技術者や、からくり人形師に与えた影響は大きい。「機巧図彙」に書かれた人形の現存は確認されていないが、同書を基に復元できる。頼直は同書を書いた直後に死去したとみられ、その経緯は謎が残る。

最終更新:4/14(土) 14:30
産経新聞