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「家族間の信託」は具体的にどのような人が、どんな使い方をしたらいいのか?

4/14(土) 18:20配信

ファイナンシャルフィールド

遺言や後見を補完する仕組みとして注目されている「家族間の信託」について、具体的にどのような人が、どんな使い方をしたらいいのか、具体例を見ながら解説をしていきます。

信託とは

信託とは、「財産を持っている人(委託者)が、自分が信頼する人(受託者)に財産を託して、定められた目的(信託目的)にしたがって財産を管理・処分してもらい、財産から得られる利益を定められた人(受益者)へ渡す仕組み」のことです。

一般的には、図のようになります。

事例から信託を見てみると

おじいさん(Aさん)は、おばあさんと息子さん(Bさん)と3人暮らしです。

Aさんは自宅のほか、賃貸アパートや月極駐車場などの収益不動産を持ち、大家業を営んでいます。そのほか、株式や投資信託といった投資資産を持っています。Aさんはこれからの人生について、下記のように思っています。

・これからもAさんは、必要に応じてアパートを建て替えたり、資産を積極的に運用して利益を得たりしたいと考えている。

・相続の際には、自分が死んだあとの相続税の支払いに備えて、駐車場を売却して現金化したいと考えている。

・将来、自分が重病や認知症になったら、自分の希望どおりに資産活用や処分ができなくなるのではないかと心配している。

というのも、自分が判断力を失ったときに財産を管理してもらう「後見」制度は、本人の財産を守るための制度なので、リスクを取って資産を運用したり、収益性を上げるためにアパートを建て替えたり、納税資金を準備するために不動産を売却したりすることはできないと聞いたからです。

後見による解決方法

高齢になると、体力や判断力が減退したり喪失したりして、自分で自分の財産を管理・処分することが、難しくなるということが起こりがちです。

このようなときに、本人に代わって財産を管理処分するために利用するのが、成年後見制度です。

成年後見制度は後見人が本人(被後見人)のために、本人に代わって財産を管理処分するものです。

しかし、後見制度を利用すると、いろいろと不都合なことが起きます。

例えば、後見が始まると本人は「被後見人」となり、一切の財産を管理処分することができなくなります。

会社の取締役や監査役になれませんし、遺言も特別な要件の下でなければ作れません。

また、後見人が行う財産の管理処分は、本人の財産の維持管理に必要・有用である場合にしか認められません。

本人の自宅不動産の処分は、生活費や入院・介護費用を賄うために売却する場合にしか認められませんし、自宅以外の不動産の処分もその必要性が問われます。

納税資金を確保するために不動産を売却したり、財産を組み替えたりすることは認められませんし、投機的な取引もできません。

いったん後見を始めると、判断能力を回復しない限り本人が死ぬまで継続することとなります。

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