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熊本地震2年 セラピー犬で被災地に笑顔

4/14(土) 12:11配信

佐賀新聞

佐賀市出身の岡さん施設慰問 「生きる目標を」

 2016年4月の熊本地震から14日で2年。被災地では復興が進みつつあるが、大地震が心に刻んだ傷は深く、癒やしを必要としている人は多い。兵庫県のNPOで働く岡武(たける)さん(41)=佐賀市出身=は「セラピードッグ」を連れて福祉施設などを慰問する活動を続け、被災者に笑顔を届けている。

 3月下旬、熊本県西原村のデイサービス施設「のぎく荘」を3匹の犬が訪れた。椅子に腰掛けたお年寄りは訪問を待ちわびたように犬の頭をなで、自然に笑顔がこぼれた。ボール投げなどのゲームも楽しみ、春の日差しが注ぐ中庭は、温かい雰囲気に包まれた。

 「本当にいい笑顔をしてくれる」。NPO「日本レスキュー協会」の理事を務める岡さんは、言葉を話せない犬が持つ癒やしの力に改めて感じ入った。訓練を受けたセラピードッグが人に寄り添ってぬくもりを伝え、傷を受けて閉ざされた心を開かせていく。岡さんによると、犬と触れ合った利用者の顔を見て、多くの施設が「こんな笑顔見たことない」と驚くという。

 西原村は2年前、震度7の強い揺れに襲われた。現在でも仮設住宅から通う利用者は多く、ふと表情が曇ったり、地震を思い出す人もいる。以前、犬を飼っていたという久野富美子さん(92)は「犬はニコニコ寄ってきて、心がやわらかくなる」と慰問を喜び、「あんな地震は初めてで恐ろしかったが、頑張らにゃあ」と前を向いた。

 NPOは16年12月から被災地訪問を続け、のぎく荘の慰問は3度目。施設管理者の中村加代子さん(52)は「やる気があってこそリハビリもできる。短時間でも笑って楽しむことが大切」と慰問を依頼する理由を説明する。

 NPOは1995年の阪神大震災を契機に設立され、災害救助犬の派遣や動物の保護活動も行っている。岡さんは福岡の大学を卒業後、04年にNPOの職員になった。多くの災害現場で救助活動に携わり、東日本大震災の被災地にもセラピードッグと何度も訪れた。

 活動の中で感じたのは、被災地では住居が再建されても地域コミュニティーの形が変わるため、弱い立場の高齢者らを見守り続ける必要があるということだ。ちょっとした様子の変化を把握するには、人が集まる機会をつくることが有効になる。犬が参加する催しは、地域の現状を把握するのにうってつけだ。

 「『また犬に会いたい』という思いが、生きる目標につながっている。やれることはまだある」。岡さんは笑顔が持つ力を信じて活動を続ける。

最終更新:4/14(土) 12:11
佐賀新聞