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18歳、地震乗り越え女子プロ野球へ 熊本の実家は半壊 一時は諦めかけた夢、家族の愛に支えられ

4/14(土) 8:20配信

西日本新聞

 2016年4月の熊本地震で大きな被害が出た熊本県御船町出身で今春、折尾愛真高(北九州市八幡西区)を卒業した中嶋南美さん(18)が、女子プロ野球の育成球団「レイア」(京都)に入団した。同町出身では初のプロ選手。地震で実家は半壊し、一時は野球の道を諦めることも考えたが、家族の支えで夢をかなえた。古里の復興は道半ば。「熊本の人が元気になるプレーを見せたい」。思いを胸に白球を追う。

⇒【画像】熊本地震で半壊した実家

 中嶋さんは、御船町の高木小2年のときに軟式野球を始め、御船中時代に地元のボーイズリーグ「上益城ボーイズ」で硬式に転向。15年、九州で3番目に女子硬式野球部を設立した折尾愛真高に進学した。

「野球をやめて仕事をしようか」

 熊本地震は、高校2年のときに発生した。実家は4月16日の本震で半壊。壁が剥がれ落ち、屋根瓦の大半が崩れ落ちた。幸い家族にけがはなかったが、父元嗣さん(43)と母の百合さん(41)、2人の弟は屋根にブルーシートをかけた家で寝起きした。

 「野球をやめて仕事をしようか」。約1カ月後、被災地の惨状を伝え聞き、思い詰めて元嗣さんに電話で切り出した。父は「こっちはいいから。野球を続けて」。そう娘を励ました。「頑張らなければいけない。胸が熱くなった」と中嶋さんは振り返る。

「古里のためにも、新人王を取る」

 地震から約半年後、家族は仮設住宅に移ったが、厳しい生活の中でも、折尾愛真高野球部に飲み物を差し入れるなど激励を続けた。

 家族の深い愛情に支えられ、中嶋さんは17年夏の全国高校女子硬式野球選手権大会に外野手として出場。打力と統率力でチームに貢献した。大会に先立ち、プロテストも受験。俊足と長打力を評価され、レイアへの入団が決まった。

 当面は上位3球団への一日も早い昇格が目標。「古里のためにも、新人王を取る」。野球ができることに感謝しながら走り続ける。

▼女子プロ野球

 2010年に2チームでスタート。現在、埼玉アストライア、愛知ディオーネ、京都フローラと育成主眼で高卒選手が最初に所属するレイア(京都)の4球団がある。今季は、レイアを除く3球団が計60試合を戦うリーグ戦「ヴィクトリアシリーズ」と、4球団によるトーナメント戦方式の「ティアラカップ」を軸に展開。在籍選手は計70人。17年は約80人がプロテストを受け、18人が合格した。

西日本新聞社

最終更新:4/14(土) 8:20
西日本新聞