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【Beyond 2020(9)】子や孫に、夢と希望を残せる企業になる。それが僕らの使命だ

4/14(土) 21:34配信

東北復興新聞

ロート製薬 広報・CSV推進部 部長 河崎保徳

1960年、大阪府貝塚市生まれ。1986年、ロート製薬に入社。商品企画部長、営業部長などを歴任。東日本大震災発生後、2011年3月30日に仙台市に設置された「震災復興支援室」の室長に就任し、震災遺児の奨学金「みちのく未来基金」の制度設計で中心的な役割を果たす。他にも、漁業を筆頭に産業復興など数々の支援プロジェクトに携わる。3年間の赴任を経て本社に復帰、「広報・CSV推進部」の設置などを提言した。現地では震災復興支援室を2015年に「東北地域連携室」へと名称を変更し、現在も地域と連携して新しいビジネス創出などに取り組んでいる。

ー”あれから”変わったこと・変わらなかったことー  「ビジネスだけやっとったらあかん。もっと大切なものがある」

あの地震と津波によって2万人近い死者・行方不明者が出てしまった。戦争か何かが起こらない限り、僕らが生きている間に目にする、最も悲惨な光景になるのではないだろうか。あれだけのショックを受けて、何かが変わらない方がおかしい。

少なくとも、ロート製薬は大きく変わった。何が一番変わったか。それは、「ビジネスだけやっとったらあかん。もっと大切なものがある」ということだ。会長兼CEOの山田邦雄をはじめとする経営陣、そしてボランティアで現地に入った多くの社員が間違いなくそう感じた。

僕たちはいつしか、「企業は右肩上がりで成長し続けないといけない」「経済発展こそが人を幸せにする」。そういう迷信や呪縛に支配されていたようだ。どこの企業も会社理念を見れば、「売上げや利益を上げろ」なんてどこにも書いてない。「社会や地域、人の役に立て」「社員を輝かせろ」。そう書いてあるはずだ。

しかし、実態はそうではない。毎年、売上目標には”前年比105%”などと掲げる。ところが、今は人口減少の時代だ。僕たちの主力商品である目薬だって、人の目にさす一定量以上は売れない。つまり、”前年比98%”が本当は正しいはず。では、その7%の差をどうやって埋めるのか。そう問われると、決まり文句のように「創意工夫とイノベーションで」などと言う。

企業価値を高めることは、どういうことだろうか?売上げや利益を増やすことだろうか?金融資本主義や利益至上主義が社会を支配し、それを求める株主が世界中にいて、彼らに有利な法体系が整備されている。その証拠に、株式を保有する特に富裕層の資産価値はどんどん上がっている。

ところが、それと同じように社員の給料は上がっているだろうか。僕らは誰に対して企業価値を高めているのか。会社を支えるステークホルダーは株主だけでなく、社員やその家族、お客様、取引先、地域社会…多岐にわたる。僕らは、ステークホルダー全員に「ロート製薬のおかげで幸せになった」と言ってもらえる会社になることこそ、企業価値の向上だと気づかされたのだ。

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最終更新:4/14(土) 21:34
東北復興新聞