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マクラーレンの電動スーパーカー、求められるバッテリー技術の進歩を考えると登場するのは5~10年後

4/14(土) 16:00配信

Autoblog 日本版

昨年12月、マクラーレンが将来の電動スーパーカーを見据えて、完全電気自動車のテスト車両を製作していること、そして電動パワートレインに14億ドルの投資をしていることが分かった。ただし以前お伝えしたとおり、マクラーレンのマイク・フルーウィットCEOはそのようなクルマを実際に生産できるのはまだ数年先だと語っている。今回、ジェン・ルードマンCOOは同社が目標としている具体的な数値に触れ、「セナ(画像)の最高出力は800psで乾燥重量が約1,200kg。このパワー・ウェイト・レシオが我々の目指している数値です」と述べた。つまり、ホンダ「シビック クーペ のベース・グレードよりも軽い車体に最高出力789hpのパワーユニットを搭載するのと同じ意味になる。
問題はエネルギー容量ではなく、エネルギー密度であるとルードマンCOOは言う。「バッテリー技術は500Wh/kg(質量エネルギー密度の単位)を達成しなければなりません。それなら納得がいきます。現在のバッテリーのレベルは180Wh/kg前後です」。マクラーレン・エンジニアリングがフォーミュラEに提供しているのは216Wh/kgのバッテリーだが、このパックは公道を走る市販車には適さない。バッテリー業界からマクラーレンが学んだのは、500Wh/kgの公道走行用車両に適したバッテリーが誕生するにはあと5~10年かかるということである。

2015年にリマック・アウトモビリ社はケーニグセグ「レゲーラ」用のバッテリーを発表した。当時としてはエネルギー密度が最も高いと言われたこのバッテリーは60Wh/kgというものだった。つまり、現在の180Wh/kgに達するまで3年かかっているわけだから、単純に計算するとバッテリー業界は毎年40Wh/kg向上するということになる。そうすると、500Wh/kgに達するには8~10年かかるのだ。

マクラーレンは、未来のオーナーがサーキットで30分間または高速で10周、「675LTのようにエキサイティングに」走行でき、30分の充電でさらに30分間のサーキット走行が行える電動スーパーカーの開発を目指している。そうなると非常に高いバッテリー密度が求められ、セルと電気系統は常に高い出力と極度の放電サイクルに耐え得るものでなければならない。現在のバッテリー技術でこれを実現しようとすると、日常的な使用で500マイル(約805km)の航続距離が可能なバッテリーを搭載する必要があり、当然ながらマクラーレンが目指す重量を大幅にオーバーし、充電にも非常に長い時間がかかるものになる。

ルードマンCOOはオーストラリアの自動車雑誌『Wheels』によるインタビューで、電動スーパーカーに関するそれ以外の問題は「簡単に解決した」と述べた。我々としては気長に待つことを覚悟して、当面は2~3年以内に登場するマクラーレンのハイブリッド車でとりあえず満足しなければならないようだ。


ByJonathon Ramsey
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

Autoblog Japan Staff

最終更新:4/14(土) 16:00
Autoblog 日本版