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田植え再開「あと1年」=立ち上がる農家―農地集約、効率化目指す―熊本地震2年

4/15(日) 8:03配信

時事通信

 熊本市と熊本県益城町にまたがる農業が盛んな秋津地区。

 県内有数のコメ産地だが、熊本地震の被害は大きく、今年も田植えはできない。稲作再開のための農地復旧工事は年内いっぱいかかる。「あと1年」。それを合言葉に、逆境を次世代につなぐ飛躍の機会にしようと農家は立ち上がった。

 あちこちで大型トラックが出入りし、ショベルカーが土の入れ替えを行う。道半ばの復旧工事を眺めながら、秋津営農組合(組合員137人)代表理事の中川有朋さん(71)は「稲を植えたい。それだけだ」と農家の思いを代弁する。

 地区の農地189ヘクタールのうち95%以上が陥没、地割れ、隆起した。農道や用水パイプラインなど多くの施設も損壊。地震前に約500トンだったコメ出荷量はゼロに。関西方面で人気が高いブランド米「くまさんの力」を食卓に届けられず、中川さんは無念さを隠せない。

 工事は昨春に始まったが、沈下した農地のかさ上げなどに時間がかかる。3年連続で見送らざるを得ない田植えが、被害の大きさを物語る。農家は今、コメの代わりに大豆と麦の栽培面積を増やし収入を得ている。

 「被災直後は絶望的な思いに包まれた」。下田義春さん(49)は振り返る。気持ちを前向きに変えたのは「地震を分岐点に、新しい秋津をつくろう」という多くの農家仲間の存在だった。

 全農家が参加する営農組合を中心に同地区は復活に向けたプロジェクト会議を創設。議論を重ね、農地の大区画化と組合への集積を決断した。約1100ある区画を250前後まで集約し、大型機械導入による効率化を進め、競争力を強化する。来年に向け農家同士の土地の調整作業が本格化している。

 農地集約化は日本農業全体の優先課題の一つだ。同地区の木原俊博さん(48)は「地震がなければ土地集積の機運は高まらなかった。自信を持って次世代に秋津を引き継ぐことができる」と胸を張る。中川さんも「単なる復旧でなく、将来を見据えた決断。ピンチをチャンスに変える」と力を込める。

 大規模な復旧工事は県が主体となり年内に終了する予定だ。県農林水産部は「3年のブランクを乗り越え、復興のモデル地区として農業をけん引する立場になってほしい」と期待を寄せる。 

最終更新:4/15(日) 8:09
時事通信