ここから本文です

お使いのInternet Explorerは古いバージョンのため、正しく表示されない可能性があります。最新のバージョンにアップデートするか、別のブラウザーからご利用ください。
Internet Explorerのアップデートについて

前代未聞の大失態…比嘉、体重超過で王座剥奪 2時間の猶予もギブアップ/BOX

4/15(日) 4:00配信

サンケイスポーツ

 プロボクシング・ダブル世界タイトルマッチ(15日、横浜アリーナ)の前日計量が14日、東京都内で行われ、WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(22)=白井・具志堅スポーツ=がリミットをクリアできず、体重超過で王座剥奪となった。日本選手の世界戦での計量失敗は初。サンケイスポーツ評論家の矢尾板貞雄氏(82)は「王者の自覚が希薄だった」と厳しく指摘した。対戦相手のクリストファー・ロサレス(23)=ニカラグア=は一発でクリアし、両陣営は試合を実施する意向。WBA世界ミドル級王者の村田諒太(32)=帝拳、同級6位のエマヌエーレ・ブランダムラ(38)=イタリア=はともに一発クリアした。

 後味の悪い幕切れだった。午後1時からの1回目の計量で、比嘉はリミットを900グラムオーバーの51・7キロ。涙を流し、ふらつきながら王者が計量会場を去ってから約1時間半あまり。所属ジムの具志堅用高会長(62)が1人で姿を見せると、日本ボクシングコミッション(JBC)に棄権を申し出た。

 「重大なことが起こってしまった。あってはいけないことが起こってしまった。一生懸命がんばったけど、汗がひとつも出ない。日本でこんなことが起こって、申し訳ありませんでした」

 再計量をせずにギブアップ。声を絞り出すように話すと、悲しそうな表情で深々と頭を下げた。1回目の計量後に2時間の猶予が与えられたが、体内の脂肪、水分は出し切っていた。もう、絞り出すものはなかった。

 前代未聞の失態だ。JBCによると、過去に日本選手が世界戦で体重超過で失格となった例はない。昨年5月、計量をクリアできなかった王者フアン・エルナンデス(メキシコ)に6回TKO勝ちして新王者となった比嘉だが、3度目の防衛戦で今度は自身が王座を剥奪された。

 陣営には危機感があった。比嘉はフライ級の枠を超えた筋肉量を持つ。胸囲97センチは20キロ以上も重いミドル級の村田諒太に1・5センチ及ばないだけ。強力なパンチを放つため広背筋を鍛え抜いたが、その代償が減量苦だった。

 昨年5月の世界戦前にはパニック障害で呼吸困難に陥った。今回は2月4日のV2戦に勝利後、同月下旬には体重が62キロ前後にまで増加。わずか1カ月半で、リミットの50・8キロまで11キロ以上の減量を強いられた。1週間ほど前にはロードワーク中に、脱水症状などで倒れてしまったという。

 両陣営の意向で試合は実施する方針。ただし、JBCは15日朝に再計量を行い、比嘉が設定された55・3キロをオーバーすれば中止になる。試合が行われた場合は正式なタイトルマッチになり、比嘉が勝つか、引き分けで王座は空位。ロサレスが勝てば新チャンピオンとなる。

 比嘉がKOで勝てば16試合連続KOの日本新記録は認められるが、もうベルトはない。大失態の後だけに、誰も祝福できない記録になる。