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預け始めに「慣らし保育」、在園時間を徐々に長く…親に負担、求められる理解

4/15(日) 7:13配信

読売新聞(ヨミドクター)

 4月は育児休業を終え、仕事に復帰する人も多い。保育園を利用し始める時期に、徐々に時間を延ばすのが「慣らし保育」だ。子どもが新しい環境に少しずつ慣れる良さがある一方、親は仕事を休まなければならないなど負担もある。企業側の理解も求められる。(矢子奈穂)

1~2時間からスタート、1~2週間かけて延ばす

 慣らし保育は、新しく入園した子どもの保育時間を、初めは短時間にとどめ、少しずつ延ばしていく取り組み。「慣れ保育」とも呼ばれる。一般的には、1~2時間からスタートし、昼食を含む半日、昼寝の後まで、夕方までと、1~2週間かけて延ばしていく。

 子どもは入園後、親と自宅で一緒に過ごす生活から、一日の大半を保育園で他の子や保育士らと過ごす生活に変わる。

 特に0~2歳の低年齢児は、急激な環境の変化で、情緒も不安定になりがちだ。親から離れることで泣き続けたり、ご飯を食べなかったりして、長時間の保育が難しい子も多い。そのため、子どもに徐々に保育園に慣れてもらおうと、多くの施設で実施するようになっている。


 親にとっても、朝、保育園に送るときにどのような準備が必要かなどが分かり、保育園に子どもを預けながら働く生活を具体的にイメージしながら生活リズムを確認することができる。

 東京都内の女性(36)は、昨年春に育児休業から復職したが、認可保育園に入れず、認可外施設に長女(1)を預けた。今年4月から長女が認定こども園に通えることが決まり、施設側の提案通り1週間慣らし保育を行うことにした。

 女性は「転園の子も1週間行うと思わなかったが、施設も保育士も変わる。慣らしの間に、子どもが安心して通えるようになれば」と話す。数日間は休暇を取り、夫婦ともに仕事を休めない日はベビーシッターを依頼するという。

睡眠中の死亡事故多い「預け始め」…注意深く見守る必要

 預け始めは、睡眠中の死亡事故が多い。国は昨年12月、自治体に対し、預けて間もない時期の子どもを注意深く見守るように呼びかけた。預け始めは、保育士も子ども一人ひとりの生活リズムや性格などを十分把握していない。その点、慣らし保育は、子どもと親、保育士らが余裕を持って信頼関係を築いていくことができる効果もある。

 こうした慣らし保育への理解を促すため、東京都中央区は2017年度、初めてチラシを郵送した。4月から区内の認可保育施設を新たに利用する保護者全員が対象だ。同区子育て支援課は「慣らし保育を知らない保護者もいる。特に入園当初は、事故防止のためにも、施設側も保護者も子どもを第一に考えて過ごしてほしい」と話す。

 ただ、企業側は、育休明けの社員に対し、復帰当初から通常通りに勤務してもらいたいと期待しがちだ。

 保護者からは「仕事を休めない」「保育料を払っているので長時間預かって」といった声もある。そうした事情を考慮し、慣らし保育を行わない施設もある。

 東京家政大学元教授の増田まゆみさん(保育学)は「新しい環境に無理なく慣れるためには時間が必要。家庭の事情はそれぞれ異なるが、心を尊重し、子どもの最善の利益を優先した対応が求められる」と指摘。さらに、「国や自治体は保育士配置の基準を上げるべきだ。入園当初の大切さについて、保護者らに保活中から説明したり、企業側に理解を広げたりすることにも力を注いでほしい」と語る。