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「時間は止まったまま」熊本地震で犠牲、息子の面影に葛藤 晃さんが授業の題材に…両親に希望も

4/15(日) 9:53配信

西日本新聞

 熊本地震で犠牲になった熊本県阿蘇市の大学生大和晃(ひかる)さん=当時(22)=の両親は、ふとした時に浮かぶ息子の面影に心を揺さぶられながら生きている。14日、遺体が見つかるまで4カ月間通い続けた同県南阿蘇村で、そっと手を合わせた。

⇒【画像】阿蘇大橋の崩落現場を訪れ、手を合わせる家族

 崩落した阿蘇大橋のたもと。「ここに来るのはつらいけど、まだ晃の一部が残っているから」。晃さんの車は、昨夏に遺体が引き上げられてからも谷底に沈んだまま。手つかずの遺品が車内に残る。

 わが子の物は手元に置いて、近くに感じていたい。でも、思い出すとつらくなる-。母の忍さん(50)は、家にある晃さんの生前の写真などを「つい隠してしまう」という。思い出さないように努めることで気持ちを保ってきた。

「この2年は無駄な時間じゃなかったのかな」

 昨年末、あの日のままだった晃さんの部屋を思い切って掃除した。使用後の綿棒、脱ぎっぱなしの靴下、抜けた髪の毛…。存在を感じさせるものが次々に出てきて、どれも捨てられなかった。「彼との時間は止まったままなんですよね」

 少し前向きになれることがあった。昨年、ある小学校で晃さんが授業の題材になった。前震で被災した友人に物資を届け、農作業を手伝うため帰宅する途中で本震の犠牲になった。その行動から家族、友人、命の大切さを学んだ児童たちが感想文を届けてくれた。

 「あの子が生きた証しを実感できた」と父の卓也さん(59)。忍さんも気持ちは同じだ。「晃を通じて子どもたちが何かを学んでくれたら、この2年は無駄な時間じゃなかったのかなって思える」

=2018/04/15付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:4/15(日) 18:25
西日本新聞