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私達の医療費保険制度は存続できるのか? 国民医療費42兆円越え

4/15(日) 18:40配信

ファイナンシャルフィールド

国民医療費の増加が止まりません。直近1年間でも1兆5000億円増加しています。私たちの社会保障制度の一つ、医療保険制度は存続していけるのでしょうか? 

国民医療費の現状について確認してみました。

国民医療費は前年比1兆5000億円増

厚生労働省国民医療費の統計から、「国民医療費」の全体と、診療種類別に分けて「一般診療医療費」「歯科診療医療費」「薬局調剤医療費」、さらに「人口1人あたりの国民医療費」と「国民医療費の対国民所得比(国民所得に対する国民医療費の割合)」の推移を表にまとめてみました。

国民医療費は医療機関等で傷病の治療に要した保険診療費用を推計したもので、患者の実費分(3割等)ではなく、医療保険給付分等も含めた全体の費用(10割)のことです。

また、国民医療費には診療費や薬局調剤医療費、入院時食事・生活医療費、訪問看護医療費等が含まれていて、保険診療の対象とならない先進医療等の評価療養や差額ベッド代等の選定療養、正常分娩等の費用は含まれていません。

平成27年度の国民医療費は42兆3000億円で、前年より3.8%(1兆5000億円強)増えています。勿論、過去最高額です。

10年前と比べたら9兆円増(27.9%増)、20年前と比べたら15兆円増(57.2%増)と、もう笑うしかないくらい増えています。

国民医療費を1人あたりで算出しても同様に増え続けています。平成27年度は33.3万円で、前年より1.2万円増、10年前より7.4万円も増えています。

人口が増えて国民医療費が増えているのではなく、高齢化等の影響により一人一人に使う医療費が増えているのが現実です。今後もこの傾向が続いていく可能性が高そうです。

前年比9.6%増、薬局調剤医療費の伸びが物凄い

表では国民医療費を診療種類別に分け、一般診療医療費・歯科診療医療費・薬局調剤医療費も載せてあります。

このなかで医療費が前年に比べて一番増加しているのは一般診療医療費の約8000億円ですが、増加率で見ると薬局調剤医療費で、わずか1年で9.6%(約7000億円)も増えています。平成11年度までは歯科診療医療費より少なかったですが、あっという間に歯科診療医療費の3倍弱にまでなりました。

10年前からの増加率を比べてみると、一般診療医療費は22.6%増、歯科診療医療費は9.8%増に対し薬局調剤医療は75.0%も増えています。20年前と比べると、一般診療医療費は39.9%増、歯科診療医療費は18.7%増に対し、薬局調剤医療は実に530.5%も増えています。

薬局調剤医療費の増加は、医療の高度化に伴い高額な薬を使う機会が増えていることも影響しているようです。

国民医療費は増え続けていますが、このままのペースが続いても医療保険制度は持続していけるのでしょうか? 

国民所得に対する国民医療費の割合が平成21年度に10%を超え、平成27年度には10.91%まで上がってきています。

さらに負担感が増していけば、消費にも大きな影響が出るはずです。どこかで根本的な制度改革が必要なのではないでしょうか。

Text:松浦 建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士

ファイナンシャルフィールド編集部