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<熊本地震2年>佐賀県職員が見た復興 被災地・西原村 生活再建へ村民奮起

4/15(日) 12:42配信

佐賀新聞

 のどかな風景が広がる山あいの村。復興が進んでいるように見えるが、目を凝らすと大地震の爪痕はまだ残る。2年前の熊本地震で、震度7の揺れが襲った熊本県西原村。3月まで半年間、村役場に派遣された佐賀県職員の天本翔平さん(31)は、住民の主体的な取り組みを頼もしく感じた一方で、災害復旧の難しさも教訓として持ち帰った。

 九州・沖縄、山口の9県は災害時の応援協定を結び、各県に支援自治体を割り当てている。熊本地震では佐賀県が西原村の支援を担当。土木系の応援職員を村に派遣しており、天本さんは災害復旧工事の施工管理を主に担った。

 佐賀に戻る直前の3月、手掛けた村道の復旧工事が完成した。道路舗装に加え、約100メートルにわたって両脇の擁壁を整備する大規模な工事となった。天本さんは「生活道路としてよく使われていた村道を、きれいな状態に戻せてよかった」と笑顔を見せた。

 村では全家屋の5割以上の約1370戸が全半壊し、道路など公共土木分野の被害額は14億9千万円に上った。村は本年度末までを短期の復旧段階と位置付け、住宅再建や社会基盤の復旧に取り組んでいる。

 壊れた家屋の解体はほぼ終え、屋根のブルーシートはほとんど見られなくなった。復興に向け事業は進んでいるが、天本さんは「手が届いていない部分も多い」とも感じている。例えば地震でずれた道路の側溝。放置しておくと雨水が漏れ出し、路面の陥没にもつながる。だが村には技術職が少なく、対応しきれていない。

 天本さんは他自治体からの職員派遣の重要性を感じつつ、行政任せではなく自ら生活を建て直そうとする村民の姿勢に感銘も受けたという。地震で農機の進入口が破損した田んぼでは、農家が自らモルタルを作って補修していた。「本当に必要なことは自分たちでやる、という意志を感じた」と天本さんは振り返る。

 約30戸のほとんどが全壊し、9人が下敷きになりながらも、団結して救助し死者を出さなかった大切畑地区。地区ごとに作成する再生計画には、防災対策で道幅を広げることなど住民の要望を盛り込んだ。村と協議を重ねることで意思決定のスピードを上げ昨年7月、熊本県内では最も早く計画をまとめた。それでも動き出すのは本年度からになる。「住民にとっては、これからが復興元年」。坂田哲也区長(61)の言葉には、もどかしさもにじむ。

 天本さんは、4月から再び佐賀県庁で働いている。「熊本で学んだノウハウは佐賀でも生かせるはず。復興にも関わり続けたい」。行政が住民とともに歩む大切さを、被災地で胸に刻んだ。 

最終更新:4/15(日) 12:42
佐賀新聞

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