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文・取材:ぽんきち
週刊ファミ通2018年4月26日号(2018年4月12日発売)では、2018年1月26日に発売された、カプコンのハンティングアクションゲーム最新作『モンスターハンター:ワールド』(以下、『MH:W』)の記事を掲載した。本稿では、記事内で実施したスペシャルインタビューPART.02の完全版をお届けしよう。インタビューに応じていただけたのは、こちらのお三方。
『モンスターハンター:ワールド』プロデューサー……辻本良三氏(文中は辻本)
『モンスターハンター:ワールド』エグゼクティブ・ディレクター/アートディレクター……藤岡 要氏(文中は藤岡)
『モンスターハンター:ワールド』ディレクター……徳田優也氏(文中は徳田)
【前回の記事】『モンスターハンター:ワールド』クリエイターインタビュー完全版(PART.01)――まだまだ進化し続ける『MH:W』
始まりは1期団の船の座礁!? まだまだ多くの謎が残る新大陸
――『MH:W』の世界設定についてお聞きします。本作では5つのフィールドがありますが、それらは新大陸のどの程度の部分を占めているのでしょうか? 一等マイハウスの壁に新大陸の地図らしきものが貼られていますが(画像を見せながら)、半分くらいしか明らかになっていないような……?
辻本 こんなのよく気付きましたね(笑)。
藤岡 やっぱり……気になりますよね。もともと大陸という形でゲームに登場させていますから、すべてを海で囲うと単なる島になってしまってよくないなと。ですから、広がりのある部分というものを残しておきたいなと考えたんです。今回行ける範囲の中で、本作のストーリーはきちんと完結してはいるのですが。ただ、ここからどれくらい広がるのかは、いまは皆さんのご想像にお任せしたい感じですね。今後、何か語れる機会があれば、そういった部分もフォローしていきたいなと考えています。いろいろな気候があったりすると、整合性などで難しくなってしまうので、その辺は違和感のないものにしていきたいですね。
――今回はひとつのフィールドが広く、砂漠のように乾燥した場所があったり沼地があったりと、かなり複合的な作りになっていますよね。今後、もし新フィールドが追加されることになった場合、とても悩まれるのでは?
藤岡 そうですね。そこはしっかり考えていかないと、現在まで『MH:W』として積み上げてきた部分を根底から引っくり返してしまいかねないですから。そのうえで、そこへさらに積み上げていければいいなと。
――フィールドに関してさらにお聞きしますが、本作では古代樹の森と大蟻塚の荒地、陸珊瑚の台地と瘴気の谷が、それぞれ親和性のあるものになっていますが、こういったフィールド構成のアイデアはどこから生まれたのでしょうか。
徳田 拠点を中心に、少しずつ新大陸を調査していく、という感覚を味わってもらいたいという考えがまずありました。そのためには、地域ごとの位置や地理関係を把握したうえでゲームを進めてもらうほうが、「ここまでだいぶ進んできたな」という実感が得やすいのではと。また、新大陸全体がひとつの生態系のもとに成り立っていて、なおかつ各フィールドにも生態系があり、それぞれが“つながっている”という感覚を、ストーリー上でもゲーム展開上でも持ってもらいたかったんです。開発の初期段階から、つながりのあるフィールド構成にする方針で動いていました。
藤岡 全体をひとつの串で通すようなアイデアを入れ込もう、というのは最初期からずっとスタッフ間で話をしていました。ストーリーを最後まで進めたうえで、古代樹の森を改めて見ていただくと、「こういうつながりのあるフィールドだったんだ」と感じてもらえるのではと。隣接したフィールドの親和性はもちろんなんですが、全体としてもしっかりとしたつながりを感じられるように……という点をとくに意識しましたね。
――各フィールドの狭間など、ゲームでは出てこない地域がいくつかあると思うのですが、そういった場所にも設定があったりするのでしょうか?
藤岡 もちろん制作段階から、いろいろと考えていました。それらの設定をできる限り活かしつつ、今回描きたい部分に注力していった形ですね。特殊闘技場の場所なんかも、ちゃんとした設定があるのですが……。
徳田 ゲーム内で、2期団の親方から教えてもらえます。ゾラ・マグダラオス捕獲作戦時に地盤がいろいろと変化した結果、大峡谷の一部の地形が、ちょうどモンスターをとどめておくのに都合がいいと。そこを利用して特殊闘技場が作られ、ゲーム中でモンスターを捕獲したときに特殊なクエストが発生するという設定へつながる形になっています。
――あれは、やっぱり捕獲したモンスターを特殊闘技場内に連れてきているのですか?
藤岡 ゲーム面での設定ではいろいろとありますが、あくまで“調査”としてですよ。
辻本 “調査”です。
徳田 “調査”ですね。
――(笑)。構造といえば、調査拠点アステラも非常に立体的な作りで、これまでのシリーズにはない外観になっていますね。
藤岡 1期団の乗ってきた船(集会エリアである星の船)が、何らかの出来事によって山の峰に乗り上げてしまったところからスタートしました。そばにある滝を利用した動力を使い、そのたもとに2期団が囲いを作るといった具合に。その近くには港があり、そこに物資を管理する場所を作ろうという流れで、住居を下へ下へと広げていった形ですね。
徳田 何しろ未開の地ですから、自分たちが乗ってきた船すらも重要な資源になるわけです。そういったものも利用しているような、開拓感のある拠点にしたかったのがまずひとつ。もうひとつは、新大陸はとんでもないところであり、何かの拍子に船が山の上にまで行ってしまうことがあるんじゃないか……と思わせるような、掴みのインパクトが欲しかったんですよ。そういったふたつの取っ掛かりから、拠点デザインの制作がスタートしています。
――船が乗り上げた原因は、やっぱりあるんですよね?
辻本 一応、あるにはあります。
藤岡 ありますが……お話できる機会があるかどうかはわからないです。
――うーん、気になりますが残念。アステラは、流通エリアがあって、リフトがあって……というように施設が点在していますが、その配置には気を遣われましたか?
徳田 今回は拠点内を歩いていると、NPCが声をかけてくれる仕組みになっていますが、その中で新しい発見だとか、ここに施設があるんだといったことに気付いてもらいつつ、ゲームを進めて欲しいという思いがあったので、現在の動線に落ち着きました。もちろん、もっと考える余地はあったと思いますし、どこまで利便性を高めるかは悩ましいポイントではありました。それこそ究極的に切り詰めれば、メニューコマンドだけでやり取りはできてしまいますが、それでは味気なさ過ぎますよね。やっぱり新大陸調査団の一員であるという感覚を持っていただきたかったので。
藤岡 「こういう空気感のある場所なんだな」というのを感じてもらいたかったんです。いろいろな人が住んでいて、話しかけられないけど、遠くのほうに人が大勢歩いているのを確認できたりとか。そこかしこに人の気配をきちんと入れるのは、没入感を得るうえではとても大事なことかなと。徳田が言っている利便性も含め、トータルで矛盾がないように、しっかりとした“ひとつの空間”を作ろうという意識で進めていたのですが、あまり広過ぎると利便性はどんどん失われ、歩くのが億劫になるんですよ。ですから施設間などの距離を縮めていくんですが、次第にここに何百人も住んでいるとは思えない、スケール感の小さい拠点になってしまって(笑)。これはいかんということで、十分に距離のある空間をベースに、ショートカットできるリフトや、さまざまな場所からメニューでアクセスできたりといった機能を追加していき、利便性とのバランスを取りました。
――施設の場所ひとつとってもこだわりがあるんですね。続いては、モンスター関連についてお聞かせください。各フィールドの親和性を考えると、意外なモンスターが意外なフィールドに顔を見せることもあり得ると思うのですが、そこはいかがでしょうか。
藤岡 設定としてはあり得なくはないですね。たとえばトビカガチなどは、森の深部で生きていくのに特化したモンスターなので、大蟻塚の荒地のように開けた場所まで行くのは難しいかもしれません。ただ、古代樹の森と大蟻塚の荒地の森部分は、ゲーム中では完全に区切られていますが、世界設定上ではシームレスにつながっているので、その辺までひょっこり現れる可能性はありますね。現実でも山奥に住む熊が人里まで降りてくるといったことがありますが、モンスターも生物なので、何かが原因で突拍子もない行動に出るということは十分にあります。
――ゲーム内でのプケプケも、そんな感じでひょっこりと大蟻塚の荒地に姿を現していると。
藤岡 そうですね。(大蟻塚の荒地の)森部分には植物が多く、ドクカズラなどもあるので、ふらりと(笑)。
――フィールドやモンスターなど、設定から細かく作り込まれていますが、不採用になったものはあるのでしょうか?
徳田 つい先日、GDC(Game Developers Conference 2018。2018年3月19~23日にアメリカ・サンフランシスコで開催された、ゲーム開発者によるカンファレンス)で本作のプロトタイプを公開したのですが、そのときにお見せしたラギアクルスがありますね。
【関連記事】『モンスターハンター:ワールド』プロトタイプの映像を初公開! 新時代の『モンハン』を作るために検証された、挑戦的アイデアの数々【GDC 2018】
藤岡 開発中は、古代樹の森の下階層部分に沼が広がっていて、アンジャナフをそこまで連れていくとラギアクルスが現れ、アンジャナフをパクッと食べてしまうという流れを作っていました。
徳田 もちろんリオレウスもいて、生態系の頂点たるヌシとして2種類を検証していました。ですが、海竜種の骨格部分の動きを制御するのが難しく、ラギアクルス1頭に固執するよりは、ほかのモンスターを何頭か作るほうがいいだろうという結論にいたり、残念ながら没になりました。ただ、その過程で培った沼や泥の表現方法などはボルボロスやジュラトドスに活かされていますし、まったくのムダにはなっていません。
――いちユーザーとしては、ラギアクルスとも対峙してみたいですが……
徳田 変に期待させてしまっても申し訳ないので断言しておきますが、現状、我々が予定しているアップデートのなかにはラギアクルスは含まれておりません。
辻本 「水中での狩猟が来るか!?」みたいに期待してしまうユーザーさんもいらっしゃるでしょうしね。そこは「出ません」と、すみませんがはっきり言わせてください。
藤岡 従来作でのラギアクルスは、陸地と水中の行き来がデザインコンセプトになっているため、本作のゲームデザインとはちょっと相性が悪いんですよ。『モンスターハンター3(トライ)』でラギアクルスを設計していたスタッフが、本作ではデザインの主軸になっているので、ラギアクルスを出したいという思いはとても強かったみたいです。
徳田 僕と同じくらいラギアクルスが大好きなモーションチームのリーダーが、「これはちょっと難しすぎる……!」と顔を歪ませたので、実装するのが本当に難しいという結論にいたりました。
――話は変わりますが、『MH:W』の楽曲部分についてお聞きします。迫力のあるもの、唄が入ったものなど、『MH:W』にはさまざまな楽曲が用意されていますね。どういったコンセプトで作成されたのでしょうか?
藤岡 調査団とは、何もないかもしれないけれど、新しい発見があると信じて突き進む人たちだと、僕は思うんですよ。そういった人たちを後押しするような曲を……というのが大まかなコンセプト&テーマになりますね。これまでのシリーズよりも力強く聞こえるよう、楽曲の担当者に要望を伝えました。全体を通して、そういったコンセプトが感じられる曲になっていると思います。あとは、シリーズごとに1曲、唄入りのものを入れたいという気持ちがありまして、本作にも導入しました。エンディングで流れる曲なんですが、そこにいたるまでのゲーム中のBGMにも唄のフレーズや声を入れたりして伏線を張り、最後にエンディングで唄を聞くと、すべてがつながって感じられる作りになっています。
――ひとつひとつの曲の中にも、“流れ”があると。フィールドやモンスターの曲などはいかがでしょう。
藤岡 バリエーションは持たせつつ、フィールドやモンスターの個性を際立たせるイメージですね。たとえばバゼルギウスなどは、乱入モンスターなので曲のアタマでインパクトを与えられる強いメロディやフレーズを入れ、覚えやすい曲になるように仕上げています。かなり耳に残る曲で、いいものになったと思います。この曲が鳴ったらヤバイ、ついどこにいるのか目で追ってしまう……みたいな。あと、古龍など、今回リメイク登場のモンスターは、曲もしっかりとアレンジしました。基本的にはそのモンスターの曲でありつつも、『MH:W』の世界観になじむようにしました。
――ソフト発売から約2ヵ月が経過しましたが、現状でとくに苦労されていることはありますか?
辻本 アップデートの作業が続いていますので、「まったく終わった感じがしない」というのが率直な感想です。
藤岡 いやもう本当に。一応発売後の打ち上げはしたんですけど、そのときもアップデート関連の作業中でしたから。
徳田 「作業中だけど、どうする?」みたいな感じでしたよね……(苦笑)。
辻本 国内はもちろんですが、海外から追加の取材や質問などもとんでもない数が来ていますね。うれしい悲鳴をあげています。
――今後もぜひ、期待しています! 最後に、ひと言ずつメッセージをお願いします。
徳田 数回ではありますが、今後もアップデートでいろいろな仕掛けや遊びを考えています。開発一同、全力を出し続けますので、応援をお願いします!
藤岡 まずは“アステラ祭【開花の宴】”(2018年4月20日8時59分まで開催中)で友だちの輪を広げつつ、楽しんでいただければと。
辻本 現在エンドコンテンツを楽しんでいる方も多いと思いますが、『モンハン』は、出会いやいろいろな人たちとプレイすることが楽しい作品でもあります。ぜひ人との出会いやつながりも楽しんでいただきたいと考えています。あと、いよいよ狩王決定戦2018も始まりますので、今後もぜひ『MH:W』をよろしくお願いいたします。
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