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生き方が楽に…森下千里さんが「リンパ節炎」患い考えたこと

4/16(月) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

「このくらいの風邪が治らないなんて、ダサイな」

 自分ではそう思っていました。でも、それが「亜急性壊死性リンパ節炎」という耳慣れない病気だったのです。

 2015年1月、多忙な年末の仕事が一段落して、少し時間ができた頃でした。よくありますよね、休みになると急に疲れが出ちゃう時。まさにそんな感じでした。熱っぽくて喉が腫れた感じがして「扁桃炎だな」と思っていました。自宅に体温計がなかったので、熱がどれくらいあったかはわかりませんが、何もやる気が起きない日が2~3日続いて、珍しく病院へ行ったんです。

 それまで大病したことはありませんでしたし、薬が嫌いで病院が得意じゃないから、かかりつけ病院なんてありません。それで、知人に紹介していただいた内科を受診したんです。案の定、「扁桃炎ですね」と言われて、薬が処方されました。

■病名を告げられ「なんだそれ?」

 でも2~3日経っても変化がなく、熱は下がらないし、首が太くなっちゃうし、だるくてボーッとして何も手につきません。薬を飲んで寝ているのに、なかなか治らない自分に情けなさを感じました。「このままじゃ約束しているゴルフに行けない」と思って、一緒にゴルフをする友人に相談しました。すると、「それ、扁桃炎じゃないかも。喉の専門の病院へ行った方がいい」とアドバイスしてくれたのです。

 そう言われてピンときたのが、以前、声帯ポリープの手術を受けた病院でした。どこにも公表していませんでしたが、実はその数年前に喉を酷使して声が出なくなって、ポリープを切除したんです。その時、お世話になった先生を思い出して早速、受診しました。

 すると、一瞬で「これは扁桃炎じゃない」と言われ、即検査に回されました。血液検査をはじめ、病院中をあちこち回って2~3時間、検査されました。結果が出る前にステロイドを点滴することになり、点滴が終わって検査結果を聞いたら「亜急性壊死性リンパ節炎」と告げられたんです。「なんだそれ?」と思いました(笑い)。

 主に頚部のリンパ節が腫れ、腫れた組織に壊死が見られ、白血球の減少などもある病気ですが、それほど怖いものではなく、1~2カ月で自然治癒する人が多い良性のリンパ節炎だそうです。とはいえ、体のだるさは尋常じゃありません。

 入院することもできたのですが、私は通院を選び、ほんの1週間ぐらいでしたが2日に1回ステロイド点滴をしました。副作用で顔がパンパンに丸くなって大変でした。一人暮らしだったので2~3日は食事もままならず、枕元に置いた水でさえ飲むのがおっくうになるくらいのだるさでした。でも、点滴を打つごとにどんどん良くなり、友人のアドバイスがあって本当によかったと感謝しました。

■「弱音を吐いても失礼じゃないんだな」

 寝込んでいる間、いろいろなことを考えましたよ。今までの自分やこれからの自分。このままの生活でいいのかな、とか……。病気って、そういうことを考えさせてくれるタイミングなんですよね。

 病気になって学んだのは「弱音を吐ける自分も大切」ということ。それまで、ずっと「弱さを見せちゃダメ」という考え方で生きてきました。他人に世話をされるのが嫌というか、申し訳ないと思ってしまうから、人の優しさを素直に受け入れられなかったんです。弱音を吐いたら失礼かなと思って、手を差し伸べられても「とりあえずノー」。それが、最近は「とりあえずイエス」になりました(笑い)。

 その思いはポリープの手術をした時の方が顕著でしたね。当時は病気や入院を家族にも伝えず、唯一話した友人の好意にも甘えず、独りぼっちで入院したんです。「1泊だけだから」と、ちょっと手術を甘くみていたんですよね。でも、術前に同意書に自らサインする時は「万が一、があるんだな」とちょっと不安になりました。

 もっと不安だったのは退院の時。手術は全身麻酔だったので想像以上に体へのダメージがあって、「こんなんでひとりで帰れるかな? 声も出せないし……」と心細かったんです。でも、その日偶然に何も知らない友人がメールをくれて「今何してる? ご飯でも食べない?」と誘ってくれたんです。思わず「ポリープ切ってしゃべれないけど」と返して、その日は車で迎えに来てくれた友人とイタリアンを食べて帰りました。全部筆談でしたけど(笑い)。

 自分も友達が弱っていたら助けたいし、それを申し訳ないと思ってほしくない。そう考えれば「弱音を吐いても失礼じゃないんだな」と気づいたんです。以来、生き方が随分楽になりました。でも、甘え過ぎちゃいけないですけどね。

▽もりした・ちさと 1981年、愛知県生まれ。レースクイーンを経て20歳でグラビアアイドルとしてデビュー。その後、テレビ、映画、舞台、ラジオなどで幅広く活躍する。2015年には小説「倍以上彼氏」(河出書房新社)を執筆。USGTFゴルフのティーチングプロ、FP2級、マネーマネジメント1級など多彩な資格も取得している。