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<シリア攻撃>英仏、米との結束前面 露へ対抗軸

4/16(月) 8:00配信

毎日新聞

 英仏両国は米国主導のシリア政府の化学兵器関連施設への空爆参加で、米国との結束を印象づけた。両国には、トランプ米大統領の差別的な発言や国際的な気候変動の枠組みに反対する姿勢などへの反発も残るが、シリアのアサド政権を支援するロシアに対抗する強いメッセージを発することで一致した。【パリ賀有勇、ロンドン矢野純一】

 ◇仏 首脳間の信頼が機能

 トランプ氏(71)と共にアサド政権への攻撃に踏み切ったマクロン仏大統領(40)は23日から訪米し、トランプ政権下では世界の首脳として初めて国賓として招かれる。英国のメイ首相やドイツのメルケル首相がトランプ氏との関係に手を焼くなかで、マクロン氏はトランプ氏との良好な関係を構築し、欧州での存在感を確実に高めている。

 トランプ氏とマクロン氏は父子ほどの年齢差があるが、互いを「友人」と表現し合う仲だ。通商や気候変動、イランが米欧などと結んだ2015年の核合意など、多くの分野で意見の隔たりがありながら良好な関係を続けているのは、就任後から国際社会での孤立が目立ったトランプ氏に、マクロン氏が巧みに歩み寄り信頼関係を築いたことが奏功したと見られている。

 トランプ氏は昨年6月、フランスが主導した地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を表明。マクロン氏はトランプ氏に翻意を促す一方で、仏革命記念日にはトランプ氏を招待した。意見対立とは別に、相手を厚遇して「率直に話し合う」(マクロン氏)姿勢で関係を深めていったと見られる。

 マクロン氏はこれまでも、トランプ氏に対して、シリアのアサド政権が化学兵器を使用した場合「共通の対応を取る必要性」を表明していた。

 今回の共同軍事作戦は、マクロン氏が、化学兵器の使用という「一線」を越えれば対応するとの自身の発言やトランプ氏の対シリア政策への支持を明確にした。そのうえで、アサド政権の後ろ盾となっているロシアに対する米国との結束を演出した。

 フィガロ紙の世論調査では、90%がトランプ氏に対して「悪い印象がある」と回答するなど、トランプ氏は仏国民には不人気だ。それでも革命記念日のトランプ氏の訪仏に対し、英国のような抗議デモは起きなかった。

 仏国民は、欧州の「主役」として超大国・米国と渡り合うマクロン氏に期待感を抱いているようだ。

 ◇英 共通認識、入念に構築

 英国は共同軍事作戦に加わったことで、陰りが見えていた米国との特別な関係を強固にした。

 メイ氏はトランプ氏と、この1カ月半、過去に例がないほど密接に連絡を取り合っていた。シリアの首都ダマスカス近郊の反体制派支配地域・東グータ地区で人道危機が高まった3月4日に、トランプ氏と電話協議して以降、公表されているだけで、これまで6度協議している。

 協議の主題は、ロシアが支援するシリアのアサド政権と、英国で起きた元ロシア人スパイ暗殺未遂事件を巡る対応だった。いずれもロシアが関与する問題で情報交換を密にして「両国間で共通認識」(政府関係者)を構築していた。

 英米関係を巡って、メイ氏はトランプ氏が大統領に就任した直後の昨年1月に最初の外国首脳として会談し、特別な関係を演出した。しかし、トランプ氏の差別容認とも受け取れるようなツイッター上のリツイート(転載)などで、関係がぎくしゃくし始め、メイ氏は昨年11月、会見で「不適切だ」と非難。トランプ氏は今年2月に予定していた訪英予定をキャンセルしていた。

 一方で、英国内には、空爆に批判的な意見も多い。世論の反対を押し切ってイラク戦争への参戦を決めた当時のブレア首相は、ブッシュ米大統領の「プードル犬」と酷評された。メイ氏は「是々非々の姿勢」(政府関係者)を維持しながらも、米国との特別な関係の強化を進めている。

最終更新:4/16(月) 8:00
毎日新聞