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コラム凡語:太陽の塔

4/16(月) 16:00配信

京都新聞

 V字形の突起が規則的に並んだ赤い壁は、脈打つ血流のように見えた。48年ぶりに内部の一般公開が始まった大阪府吹田市の「太陽の塔」。エネルギーが満ち満ちた生きものの胎内のようだ▼上へ上へと伸びる高さ約41メートルのオブジェ「生命の樹(き)」は、青や黄色の枝を力強く伸ばし、ウミユリなどの原生類からクロマニョン人まで、33種類の生物模型183体が乗っかったり、ぶら下がったりして生物の進化の様子を導く▼日本中が右肩上がりの好景気を信じた高度経済成長期、「人類の進歩と調和」をテーマに開かれた日本万国博覧会(大阪万博)の象徴そのものだと、強く意識させられる。しかし実際は、プロデューサーだった芸術家、故岡本太郎氏の強烈なアンチテーゼであったという▼「ひろがることによって逆に根にかえって行く」―。塔内展示の1967年に描かれたスケッチの一枚に、走り書きのように記されていた▼日本が大阪招致を目指す2025年国際博覧会の開催国決定はこの秋。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」だ。20年の東京五輪・パラリンピックに続き、経済成長も含めた期待がかかる▼成長のためには、まずは根っこがしっかりとしていなければならない。半世紀前のメッセージを私たちはどのように伝えていけるだろう。

[京都新聞 2018年04月16日掲載]

最終更新:4/16(月) 16:00
京都新聞