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大津市、支所統廃合練り直し 住民反発で

4/16(月) 16:10配信

京都新聞

 大津市内に36カ所ある市民センターの支所機能を、2020年度に10カ所に統廃合する市の素案が、市民の反発を呼んでいる。遠隔地の支所利用者は「行政サービスが低下する」と懸念を訴え、市自治連合会が全支所の維持を求める事態となった。市の目算は早くも崩れ、集約する支所数や時期の再考を迫られている。
 「不便な場所で廃止は困る。運転できないお年寄りも増えているのに…」。支所が廃止対象となった田上市民センター(同市里3丁目)。利用者に統廃合への見解を聞くと、近くの主婦(67)は不安を漏らした。
 田上学区は人口1万人を抱え、高齢化率は3割超。素案で最寄りとなる大石支所への直通バスはなく、住民票などを発行できるコンビニも近くにない。主婦は市中心部に支所が多く残る印象を語り、「地域間の格差が広がる」と危ぶんだ。
 支所は証明書発行だけでなく、「街灯がつかない」「犬のふんで困っている」など幅広い相談を受ける。医療や福祉、納税などの悩み事もある。近くの理容師田中佑治さん(41)は「年に4、5回来る。職員は顔見知りで安心感がある。支所を残してほしい」と要望した。
 市が昨年11月に示した素案では、職員8~17人の広域支所7カ所、4人の地域支所3カ所の計10拠点に集約する=図参照。支所廃止後も市民センターの建物や公民館機能は維持する。
 市は将来の人口減に備えて、公共施設の民営化や縮小を推進している。支所統廃合の最大の目的にも「コスト削減」を挙げる。
 全市民センターの維持経費は光熱費や人件費などで年間10億円(15年度)。支所集約で最大4億2千万円を削減できると試算する。その大半は支所の嘱託職員の人件費だ。
 市は14年度から検討を進めてきた。市民アンケートで1369人のうち85%が「支所の利用は年に1回以下」と回答し、証明書の発行件数は年1%ずつ減少しているという。各小学校区に一つ支所があり「県内の他市町より多い」という。
 市民センター改革推進室は「集約しても住民サービス低下は最低限に食い止めたい」とする。週に1回程度、職員が各センターに出張して、行政相談窓口を開設する代替案を用意している。
 だが、市の思惑通りには進まなかった。
 住民組織の市自治連合会は今年2月、「支所の統廃合は全面的に反対」とする立場を決定。36支所全てを維持することを求めた。
 谷正男会長は「全ての学区に支所があるのは大津の誇り。住みやすく、まちづくりの拠点になってきた」と話す。「市は4年間検討したと言うが、内部の話で市民合意はできていない」と訴えた。
 市は学区自治連を中心にした住民団体に、センターの公民館機能を自主運営してもらう構想も持つ。重要な役割を担う自治連の反対は影響が大きそうだ。
 越直美市長は昨年の11月市議会で、20年度の統廃合予定を「早急とは考えていない」と述べたが、2月市議会では時期を再検討する考えを示した。
 市は当初、17年度中に住民説明会を開く予定だったが、自治連と協議して新たな案を作成した後に実施すると方針転換した。統廃合する支所の数や時期は、流動的となっている。

最終更新:4/16(月) 17:10
京都新聞