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シリア難民「トルコに感謝」 南部国境の町キリス・ルポ

4/16(月) 7:55配信

産経新聞

 ■低賃金で労働、住民は困惑「暮らしに打撃」

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、トルコにはシリアから少なくとも330万人の難民が流入しており、周辺国の中で最も多い。主要な入国地点である南部キリスの町では、受け入れてくれたトルコ政府への感謝の声も聞かれるが、地元住民の間には複雑な思いが広がっていた。(キリス 佐藤貴生)

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 「シリア軍兵士に撃たれたんだ」。キリスの中心街で会ったヤシンさん(28)はそういうと、シャツをまくった。右腹に縫い合わせた痕があった。

 シリア内戦発生後まもなく、兄がテレビの取材でアサド政権を批判した。その直後、軍兵士がやってきて東部デリゾールの自宅を焼き払い、逃げようとしたヤシンさんを銃撃したという。家財道具を売り払って作った資金を、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)やクルド人民兵組織などに数百ドル(数万円)ずつ賄賂として支払い、国境を越えた。受け入れたトルコのエルドアン大統領には「感謝している」という。

 しかし、新たな人々の大量流入に戸惑う声もある。

 町には地元住民8万人に加え、ほぼ同数のシリア人がいるといわれる。家電修理業のザキさん(70)は、「シリアの人々は安い賃金で長時間働くので、地元住民の暮らしが打撃を受けた」と話す。農業を営むハッサンさん(52)は、シリア人労働者の参入で「まったく金が稼げなくなった」とこぼした。

 地元住民によると、トルコ政府は1年ほど前にシリア人の受け入れを全面的に停止。シリア国境沿いの道路を車で走ると、密入国を防ぐフェンスが延々と続いていた。無職のソプヒさん(63)は、「やってきた人々の素性が分からず、治安が維持できるのか不安だ。シリア人が殺到する事態はもう勘弁してほしい」と話した。

最終更新:4/16(月) 7:55
産経新聞