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VTuber配信を簡単にするniconico「バーチャルキャスト」と「VRM」。スタジオもVR

4/16(月) 19:34配信

Impress Watch

 ドワンゴは16日、新たなVRライブ配信プラットフォーム「バーチャルキャスト」の提供と、東京・池袋のニコニコ本社で採用したVR配信向け設備の導入を発表。ニコニコ本社で体験会を開催した。また、“VRのプラットフォームに依存しない3Dアバターファイルのフォーマット「VRM」形式の開発と無償提供開始も発表した。

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■だれでも美少女キャラで配信できる「バーチャルキャスト」。声の変更も検討

 既報の通り、ドワンゴとインフィニットループは共同で、バーチャルキャラクターになったユーザーがVR空間のスタジオでコミュニケーションできるサービス「バーチャルキャスト」(Virtual Cast)の提供を4月13日より開始。

 「バーチャルYouTuber」のキャラクターに気軽に変身し、生配信などに活用できるサービスで、対応配信先プラットフォームはニコニコ生放送、YouTube Live、ツイキャス、Twitch、OPENREC.tv。現在はβ版として提供。

 ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の「HTC VIVE」と、VIVE推奨スペックのWindows 10 PC、公式サイトからダウンロードするソフトを利用することで、バーチャルキャラクターになって配信できるほか、他の人の配信ページに乱入する「凸機能」も搭載。画面上でキャラクター同士で。コミュニケーションできる。凸をして他のキャラクターの配信ページに行くと、その人の配信ページも、凸した先と同じ画面になる。なお、特定の人以外に凸されないように、配信の部屋に鍵をかけるといった制限も可能。

 コメントは配信中のVR空間に3Dで落下するように表示。HTC VIVEの操作で、そのコメントをキャラクターが手でつかむといった動作もできる。なお、バーチャルキャスト自体に生配信する機能は無く、別途、Niconico Live Encoderなどの配信ソフトを使う必要がある。

 音声については、基本的に配信者そのままの声を使用するが、別途オーディオインターフェイスなどを用意すれば声を変えて配信することも可能。現在、サービス上でリアルタイムに声を変えることはできないが、そうした要望も上がっており、優先的な検討項目の一つになっているという。

■“VRプラットフォームをつなげる”3Dアバターファイル形式「VRM」

 現在、バーチャルYouTuberなどで使うために作成されたキャラのデータは、すべての配信プラットフォームでそのまま利用できるわけではなく、クリエイターが使用するモデリングツールによって構成や3Dデータフォーマットが異なる。そのため、従来はアプリケーションや3Dモデルデータごとに独自のシステムを開発したり、細かく調整する必要があった。

 この課題を解決するため、3Dモデルクリエイターやアプリケーション側の取り扱いを簡単にすることを目的に開発されたのが新フォーマットの「VRM」。“プラットフォーム非依存の3Dアバターファイルフォーマット”として提案する。UnityでVRMファイルを読み書きする標準実装が提供されるが、フォーマット自体はプラットフォームに依存せず、他のエンジンや環境でも取り扱える。

 Mayaやblenderなどのソフトで制作した3DデータをVRMに変換することで、各ソフトによるモデルのデータの“クセ”を吸収し、従来必要だった調整不要で、様々なフォーマットに利用可能。バーチャルYouTuberとして作ったキャラが、ゲームのキャラクターになって戦ったり、ニコファーレなどで音楽ライブを行なうといった、“複数のVRの世界をつなぐ”ことを実現する。

 VRMは16日よりオープンソースとして無料公開され、開発者などは自由に利用可能。さらに、VRM形式で、3D投稿/共有サービス「ニコニ立体」へ投稿することもでき、そのデータを、上記のバーチャルキャストのキャラクターとして活用することも可能になるという。

 なお、ネットワークに相互接続されたアバターによるVRコミュニケーションでは、自分のアバターデータを他の人から自分の姿が見えるように他ユーザーへ送信することも行なわれるため、新たな規定も用意。VRMでは「モデルデータ自体に対しての改変・再配布規定(Creative Commonsなどから設定可能)」や、「モデルデータを使用して『人格を演じる』ことについての許諾規定」をファイルに設定できるなど、新時代のファイルフォーマットとして設計したという。

■ニコニコ本社スタジオで、VTuberパーソナリティが放送できる機能

 VTuberの出演する公開収録スタイルのライブ配信を、モデルデータと、声を出す演者だけで実現できるという「バーチャル機能」を、池袋にあるニコニコ本社の生放送スタジオ「ニコぶくろスタジオ」に実装。VTuberのキャラが透明な有機ELディスプレイに表示され、他の出演者と目線を合わせて話をする様子を配信できる。同スタジオは池袋駅の東西を結ぶウイロードに面しており、周りから観覧可能。

 キャラクターを担当する人の声に合わせて口の動きが連動。その人が手を動かすとキャラの手も連動。表情などもスイッチで切り替えられる。

 透明ディスプレイを利用することで、キャラがその場にいるようにできるほか、ディスプレイの裏側にカメラを配置することで、配信者はスタジオにいる相手の目を見ながら会話できる。

 スタジオの利用料は、11時~21時(セッティング時間含む)で、平日12万円、土日祝日は17万円。なお、サービス開始から一定期間は初回利用料を5万円にするなどの割引も検討している。有機ELモニターやキャラクターの操作機材一式、セッティング、オペレーションスタッフ込みの料金となっている。

 平日にバーチャルキャラクターを使った生放送番組を行なった場合の料金として、スタジオ利用料(12万円)とバーチャルシステム利用料(15万円)、ニコニコ生放送利用料(15万円/スタッフ費込み)合わせて42万円となるが、これを特別価格32万円で提供するといった例も紹介している。

■「VTuberに向いているニコニコ」

 ドワンゴの事業戦略本部 VR文化振興室 副室長の助田徹臣氏は、VR事業によるBtoBの展開を説明。「ドワンゴの技術力」、「コメントの双方向性」、「ニコニコのメディア力」などを軸に、「ニコニコはVTuberに向いているメディア」と説明。

 人気バーチャルYouTuberと4月に実施した「月ノ美兎の放課後ニコ生放送局」が来場者19万4,834人、コメント42万2,490となり、グローバルのTwitterトレンドでも6位になるなど話題になったことを紹介。

 これからVTuber配信をしたいが、キャラクターを持っていない、運営ノウハウがないという声に対しても、同社のノウハウを活用して実施する方法を個別に相談に応じるという。

 助田氏は、「ゲームやアニメの新作発表や、ネットでのプロモーションなども従来から大きく変わる。国内でもVRライブ配信のプラットフォームは複数あるが、複数のモデルを共存させ、生放送できるのはほとんどない。ドワンゴはリアルとVRを結びつける取り組みを2012年ごろから続けてきた。VTuberのファンコミュニティをリアルに盛り上げる全ての要素がある」とした。

 なお、ニコニコでは「バーチャルYouTuber」や「VTuber」という言葉を使ってはいるものの、助田氏は「昔からこういった活動はある。YouTubeだけの文化ではなく、他のプラットフォームでも盛り上がっているネット全体の一つのうねり。そのなかでニコニコのリアルタイムなコメントによる双方向性は強み」とした。

 なお、4月28日~29日に千葉・幕張メッセで開催するイベント「ニコニコ超会議2018」でも、人気のYouTuberやVTuberが登場。「超音楽祭」で、バーチャルYouTuber「キズナアイ」が歌って踊るという企画も用意している。

AV Watch,中林暁

最終更新:4/16(月) 19:34
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