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家庭教師バイト「いつでも辞められる」は嘘、退職できず、就活に支障…どうすれば?

4/16(月) 9:52配信

弁護士ドットコム

「なんで自由にやめられないのか。もうバックれてしまおうか」。都内の大学生ショウタさんの最近の悩みは、家庭教師派遣のバイトをやめられないことだ。

ショウタさんは、就職活動が始まることを理由に、希望時期の2か月以上も前に退職を申し出たのにもかかわらず、家庭教師派遣会社が承諾しなかったそうだ。

雇用契約を結んだ際には期限の定めがなく、事前に申し出れば、「いつでも辞められる」と説明を受けたのにもかかわらず、退職が承諾されないため、ショウタさんは憤っている。会社は、「派遣先の家庭が継続的に指導してもらうことを望んでいる」と譲らないそうだ。

家庭教師派遣会社が、派遣先の要望を理由に、家庭教師の退職を拒むことは法的に認められるのか。ショウタさんが家庭教師を辞めるためには、どのような手段をとればいいのか。大西敦弁護士に聞いた。

●雇用期間の定めがなければ、一方的な意思表示で退職可能

雇用契約に期間の定めがない場合、退職の意思表示から2週間が経過すれば、雇用契約は解消されます(民法627条1項)。退職するためには、勤務先の承諾は必要ありません。労働者の一方的な意思表示によって退職することができます。今回のケースは、意思表示から2週間経過後に退職できます。

その方法についてですが、退職の意思表示は口頭でも有効です。ただ、言った言わないという問題になり得ることから、内容証明郵便といった証拠が残るような方法で行うのがいいと思います。もちろん、メールでも構いません。

●有期雇用でも1年経てばいつでも退職できる

一方、有期雇用契約の場合、期間満了前に退職するためには、「やむを得ない事由」が必要です(民法628条)。

もし、今回のケースが有期雇用契約だった場合を考えてみましょう。やむを得ない事由に該当するかどうかは何とも言えないところですが、やむを得ない事由はかなり厳格に判断されます。

就職活動が始まることは当初から予定されていたと考えられることや、家庭教師であればある程度時間の融通が利くと考えられることから、おそらくやむを得ない事由には当たらないのではないかと考えられます。

なお、有期雇用契約が1年を超える場合には、1年を超えた日から、労働者はいつでも退職することが可能です(労働基準法137条)。

【取材協力弁護士】
大西 敦(おおにし・あつし)弁護士
2004年弁護士登録、東京弁護士会所属。2015年に千代田区神田神保町において、大西法律事務所を開設。労働組合の顧問弁護士を始め、労働事件を労働者側、使用者側で多数受任している。
事務所名:大西法律事務所
事務所URL:http://www.onishi-law.com/

弁護士ドットコムニュース編集部