ここから本文です

この空爆は平和をもたらさない。シリアを逃れた「戦場のピアニスト」の思い

4/16(月) 6:03配信

BuzzFeed Japan

トランプ大統領が呼びかけて行われた米・英・仏軍によるシリア空爆。戦場となったシリア・ダマスカスの街頭でピアノを弾き続け、シリアの「戦場のピアニスト」と呼ばれたエイハム・アハマドさん(29)が4月15日、東京都内でBuzzFeed Newsに「この空爆はシリアに平和をもたらさない」と、思いを語った。【BuzzFeed News/貫洞欣寛】

「政治ショー」

エイハムさんは2015年にシリアからドイツに逃れた。欧州各地で演奏活動を続け、シリアの市民が置かれた窮状を訴えている。

今回は、大学院生の山田一竹さんらがつくる団体「スタンド・ウイズ・シリア・ジャパン」の招きで来日した。14日に、東京大学で開かれたシリア問題を考えるシンポジウムに出席。15日にはコンサートを開いた。

この来日に重なったのが、米英仏によるシリア空爆だった。

エイハムさんに意見を尋ねると「これは、トランプ大統領が米国人の目を国内の問題からそらし、『ほら、何かやっているぞ』と言うための政治ショーにすぎない」と、厳しい目を向けた。

米軍の空爆は以前から続いている

エイハムさんが4月7日にダマスカス近郊東グータで起きた化学兵器攻撃のことを知ったのは、パリでコンサートをした時だった。コンサート後に「こんなことが起きた」と、口から泡を吹いた子どもの写真を見せられ、絶句したという。それ以降、トランプ政権が空爆に傾くのを苦々しい思いで見ていた。

そもそも、米軍がシリアを空爆するのは、これが初めてではない。2017年4月にもトランプ大統領が、アサド政権が化学兵器を使ったとして攻撃を命じたが、ほとんど効き目はなかった。

さらにシリア東部ラッカなどでは、過激派「イスラム国(IS)」の掃討作戦として米軍を中心とする多国籍軍による空爆が日常的に続き、多数の市民が犠牲となっている。だが、あまりにも現場が危険すぎてジャーナリストも取材できないため、その実態はあまり伝わっていない。

ラッカの市民グループ「ラッカは静かに虐殺されている」によると、米軍などによる空爆で2017年、ラッカで2064人の市民が犠牲になったという。

なお、このグループに関するドキュメンタリー映画「ラッカは静かに虐殺されている」が、4月14日から東京都内で公開されている。

1/5ページ

最終更新:4/16(月) 6:03
BuzzFeed Japan