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突然やってくる尿路結石 予防には食生活改善が大切

4/16(月) 10:46配信

山陽新聞デジタル

 突然やってくる尿路結石の予防と治療について、倉敷成人病センター(岡山県倉敷市)の石戸則孝泌尿器科部長が寄稿した。

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 ■尿路結石の特徴と症状

 尿路結石とは、「尿路」と呼ばれる腎臓から尿道までの経路にできる結石のことを指します。

 尿路結石の患者さんは、男性が女性より多く、年々増加する傾向にあります。原因として、生活習慣病との関連性が指摘されています。尿路結石ができると、尿路を刺激したり、尿の流れをせき止めたりして、さまざまな症状を引き起こします。背中や腹部に突然、強い痛みが起こったり、細菌感染による腎盂腎炎(じんうじんえん)を合併したり、腎機能が停止する恐れも潜んでいます。

 ■検査方法

 背中や腹部の痛みで来院された患者さんは、まず尿検査、超音波検査、レントゲン、採血を行い、他の腹痛を起こす病気ではないかどうか鑑別診断します。症状に合わせ、痛み止めなどの処置も行います。

 症状がなく、健康診断などで偶然に結石が見つかり受診された方には、超音波検査やCT検査などの画像診断を行い、治療が必要な結石かどうか判断します。

 ■治療方法

 治療は大きく、薬の内服と生活指導による保存的治療と、手術による積極的治療に分かれます。

 手術の種類についてご説明します。結石手術には以下のような手技があります。結石の大きさと部位はもちろん、患者さんの生活スタイルや希望に合わせた最適な治療方針を、担当医師とよく相談して決定することが重要です。

 (1)体外衝撃波結石破砕術(ESWL)

 (2)経尿道的腎尿管砕石術(TUL)

 (3)経皮的腎尿管砕石術(PNL)

 (4)経尿道的膀胱(ぼうこう)砕石術

 (5)開放手術(現在はほとんど行われません)

 (6)新しい術式=経尿道的結石破砕術補助下経皮的腎尿管結石手術(TAP)

 今回は、新しい術式である経尿道的結石破砕術補助下経皮的腎尿管結石手術(TAP)について、詳しくご紹介します。

 この術式は当院が日本で最初に開発しました。難治性の結石に対し、(2)TULと(3)PNLを同時に行う内視鏡手術です(イラスト参照)。

 TULは尿道から内視鏡を挿入して、尿管や腎臓内まで到達させます。レーザーなどの砕石装置を使って、テレビモニターで見ながら結石を砕きます。

 PNLは腎臓や尿管にできた大きな結石に対して、腎瘻(じんろう)という背中から直接腎臓に到達する通り道をつくります。ボールペンの太さ程度の小さな穴から内視鏡を腎瘻内に入れて、テレビモニターを見ながら結石を割り、摘出します。

 新術式のTAPは、TULとPNL双方の特徴を生かし、より体にやさしい低侵襲で、なおかつ結石の高い完砕率を目指します。

 ■予防方法

 尿路結石の予防には、食生活の改善が大切です。例えば、尿が濃縮されないように「水やお茶をたくさん飲む」ことや、尿路結石を生むシュウ酸を多く含む食品の摂取を控えるのも、効果的な予防法です。

 食後は尿が濃くなります。食後すぐに眠ってしまうと、濃度の高い尿が尿路に停滞して、結石ができやすくなります。食後すぐに眠りに就く習慣のある方は、その習慣を改めましょう。

 倉敷成人病センターは今年2月21日、尿路結石センターを開設しました。生活習慣病として、年々増加している尿路結石。尿路結石センターは予防から治療までトータルでサポートし、最新の医療機器を使って体に負担の少ない治療法を提供します。詳しくは当院のホームページをご覧ください。

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 倉敷成人病センター(086―422―2111)

 いしと・のりたか 岡山朝日高校、岡山大学医学部卒。同大学院医学研究科修了。医学博士。広島市民病院、落合病院、金光病院などを経て倉敷成人病センター勤務。1998年から同センター泌尿器科部長。今年4月から尿路結石センター長を兼務。日本泌尿器科学会総会賞、日本泌尿器内視鏡学会学会賞など受賞。岡山大学医学部医学科臨床教授。