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児童の安全優先「名札外し」広がる 埼玉の少女誘拐事件を契機に

4/16(月) 17:31配信

福井新聞ONLINE

 児童の登下校中に名札が見えないようにしたり、ランドセルに記名しなかったりといった“名札外し”の動きが福井県内で広がっている。全国的に不審者による声かけや連れ去りといった事件が相次ぐ中、第三者に名前を知られることを防ぐためで、取り組みをしている学校関係者は「児童の安全が最優先」と話している。

 福井市立木田小では3、4年前から名札を外して登下校している。名札は教室に置いておくのが基本で、登校したら身に着け、下校する前に外す。不審者による声かけが増え始めたことをきっかけに、ランドセルや手提げかばんも、名前を記入する欄が外側にない作りになっており、同校では「中を見ないと分からない不便さはあるが、子どもの安全を優先している」と話す。

 同市立東郷小は、回転式の名札を4、5年前から導入。登下校中は裏返しで、校内に入ると表にする決まり。同市立麻生津小では数年前から胸に着けた名札を、登下校中には胸ポケットに入れるようにしている。

 大野市立富田小では、ランドセルに記名欄があるが、記名しないように保護者に伝え、名札も着けないよう指示している。新入生は約20人いるが「子ども同士も教員もお互いにすぐ名前を覚え、地域の人も顔見知りが多い。特に不便は感じない」(同校)としている。

 2006年から「子どもの防犯ブログ」を運営しているセコムIS研究所の舟生岳夫さんによると、16年に埼玉県で発覚した少女誘拐・監禁事件を契機に、全国的に同様の取り組みが広がっている。

 フルネームを知られ、名前で親しげに声を掛けられると「子どもは、知っている人かなと気を許しがちになる」(舟生さん)と指摘。「名字や住所、電話番号などを知られると、さらに巧妙に信用させる手口につながる可能性がある」とし、持ち物に決めたマークを付けるなど、名前がなくても見分けられる工夫をするようアドバイスする。

 全国に先駆けて回転式名札の「キッズターナブル名札」を開発した「西敬」(大阪市)では昨年度、24万枚余りを販売した。西村宏之社長は「名札を着けないケースも聞いているが、着けていたほうが万が一の事故の際に、身元などをすぐに確かめることができる。(回転式名札が)親も子どもも安心して通学することにつながれば」と話している。

福井新聞社

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